大阪市の橋下市長が求めていた、文楽の技芸員との公開での意見交換が実現しそうです。
文楽業界の仕組みは、以前にも当ブログで書いた通り 、本公演・劇場の運営は日本文化芸術振興会(=国)、地方公演・技芸員との契約は文楽協会、そして実際に文楽を演じる技芸員 に分かれています。
このうち、大阪府・大阪市が補助金を出しているのは文楽協会。技芸員の給料は講演にかかる実費で芸術振興会から払われるものが主なので基本的には補助金と関係ないものと考えられます。
ではなぜ橋下市長が技芸員と意見交換を望むのか。
公開での意見交換に反対される方々の意見には、「橋下市長は公開の場で技芸員をコテンパンに叩きのめすつもりではないか」という声も聞かれます。しかし私はそうはならないと思います。実際の演者である技芸員からきちんと話を聞いて、裏表なく彼らの文楽に対する思いを聞き出して真意を確かめるためではないでしょうか。
また、文楽の保護と振興のためには、日本の伝統芸能なのですから大阪だけではなく国をあげて今の文楽業界を取り巻くややこしい仕組みを見直さなければいけません。公開の意見交換にすることでそれが全国に伝わります。そういったところにも公開にこだわった理由がうかがえます。
実施はおそらく近日中。
どんな意見交換になるのか楽しみです。
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