最近よく思うこと。


議員の仕事とは何か?


議員には国会議員、県議会議員、市議会議員などがあり、それぞれの立場で役割は異なります。


国会議員の仕事の中心となる範囲は、国全体。県議会議員は県全体、市議会議員は市全体、というのが基本ですが、政治家も国民もこの区別がとても曖昧です。


国会議員が、本来の職務である国全体のことを疎かに、地元活動や挨拶回りばかりしている。県議会議員が選挙区の市の利益を最優先に考える。市議会議員が、まるで町内会長のような判断をする。


もちろん、選出された地域の課題の把握は大切です。地元の意見は所属する議会では地元選出の議員にしかわからないこともあります。そういった意見はしっかりと反映させなかればいけません。一方で、いくらその地域から選出されているからといって、本来の役割を忘れて地元地域だけが繁栄するような政策は行うべきではありません。例えば私は大阪府議会議員ですから、堺にとって良くて、大阪にとっても良いことはもちろん賛成ですが、逆に大阪全体にとってマイナスになるようであれば反対します。一時的には利益になっても、大阪全体がダメになれば結局は堺も立ち行かなくなりますから。


これは私の個人的な意見ですが、議員の仕事の比重は「所属議会の範囲5:地元3:広域2」が妥当ではないかと考えています。


例えば、大阪府議会議員の私の立場としては「大阪全体:5、堺:3、国:2」となり、これが大阪選出の国会議員なら「日本全体:5、大阪:3、世界:2」、堺市議会議員なら「堺全体:5、地元:3、大阪府:2」という具合です。


昔の国会議員は、地元への利益誘導が多かったと思います。地元に橋を架けた、道路を引いた、駅を作ったということが実績になる。有権者もそれを求める。しかし高度成長時代を終え、厳しい財政の中で効率的な国家運営を行うには自分の地域だけではなくて「国会」議員として、国全体という大きな視点で政策を考えなくてはいけません。


国会議員の考えるべきことは外交・防衛・教育の根幹・マクロ経済・最低限の社会保障。これくらいに絞っても良いのではないでしょうか。後は地方に任せる。地方で決められることは、わざわざ国会の承認を待つことなく地方で行う。国と地方の役割分担を明確にして、それぞれの議員の仕事をはっきりさせる。衆議院と参議院も同様です。「なんとなく」何十年も続いてきた仕組みを、一旦リセットして再構築するときが来ているのだと私は思います。