世界最大の墓、仁徳天皇陵。


2008年の9月に仁徳天皇陵を含む百舌鳥古墳群・古市古墳群が世界遺産の国内暫定リスト※に登録されました。(※将来ユネスコに世界遺産申請をする前準備の段階)


私は「仁徳天皇陵の世界遺産登録」を強く支持します。



それはただ単に「自分が堺市民で、世界最大の墓が地元にあることを誇りに思うから」といったようなものではなくて、世界遺産に登録されることが関西の活性化に繋がると考えているからです。


現在関西にある世界遺産は以下の通り。


1.法隆寺地域の仏教建造物(奈良)

2.姫路城(兵庫)

3.古都京都の文化財(京都)

4.古都奈良の文化財(奈良)

5.紀伊山地の霊場と参詣道(和歌山・奈良・三重) ※登録順


京都や奈良の文化財は確かに素晴らしいのですが、経済の規模を考えるとやはり大阪。外国人観光客に大阪にお金を落としてもらうことで大きなお金の渦を作り関西に広げたいのです。(残念ながら姫路や奈良からでは関西全体に波及しません・・・)


そこで、この仁徳天皇陵の出番です!


クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と並ぶ「世界三大墳墓」と称され、その中でも墓の面積は最大です。※堺市ホームページ 参照


ピラミッドより大きい墓って、凄いインパクトがありませんか!?


これは世界遺産登録されれば、きっと人気スポットになる!と思うのですが、課題もたくさんあります。。


まず、大きすぎるがゆえに特徴である美しい前方後円形が把握しにくいということ。


永藤英機の「堺から日本を元気にする」ブログ

百舌鳥古墳群の上空写真(一部のみ) 中央上部が仁徳天皇陵。


地上から見ようと思うと、堺観光ガイド で紹介されている「よく見えるポイント」からでもかなり無理があります汗

永藤英機の「堺から日本を元気にする」ブログ

堺市役所高層館21階展望ロビーから。うーん、森ですね。


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JR百舌鳥駅南側の陸橋の上。 よく見えるポイント・・・。


結局、地上から一番満喫できるスポットはここ↓だったりします。


永藤英機の「堺から日本を元気にする」ブログ

正面の「拝所」。 もはや山ですが、鳥居前には砂利が敷き詰めてあって神聖な雰囲気です。


とはいえ、やはり前方後円墳の形を見たいわけで、それを叶える手段は今のところ観光客にはありません。現在、堺にわだに村 というNPO法人がヘリコプターで堺観光を計画していてまだ実験段階のようですが、今後正式に運用が開始されれば一筋の光が見えそうです。3/30の運行で一人18,000円とのことなので、1万円くらいなら観光客も気軽に利用できるかもしれません。


2つ目の問題は、これが深刻なのですが、堺市と地域に世界遺産を受け入れる体制が整っていないように思えることです。「とりあえず世界遺産にしておけばなんとかなる」という雰囲気と言うか、本気度が伝わらないというか、、


私は、仁徳天皇陵を「がっかり世界遺産」にはしたくありません。


せっかく観光客に来てもらっても、地域にしっかりした受け入れる体制が無ければ返ってマイナスイメージを与えかねません。森しか見えない観光スポットではなく、前述のヘリコプターのような観光要素を用意するとか、お土産グッズを作るとか(驚くことに、現在仁徳天皇陵をモチーフにしたキーホルダーでさえありません!)、外国人観光客向けに英語ができるガイドを置くとか、仁徳天皇陵を周る観光バスを走らせるとか。仁徳天皇陵周辺の店も特にアピールすることも無く、観光客はただ見て、土産も買わずに帰るだけです。お土産を買うという行為も、観光客が楽しみにしている一つだと思うのですが。。。


これらのことは世界遺産になってから考えるのではなく、前もって準備しておかなければ間に合いません。もしかしたら水面下で着々と計画は進んでいるのかもしれませんが、イマイチ見えてこないもので心配しています。


そして最後の問題、それは仁徳天皇陵は宮内庁管轄の皇室私有地であるということ。


この為に世界遺産の登録基準である「文化財の指定」は受けておらず、更に調査でさえも禁止されています。ここまでの文章であえて「仁徳天皇陵」と書きましたが、実は発掘調査が禁止されているため本当に仁徳天皇の墓かどうか分かっていません。そんな理由で、私が小学生の頃は仁徳天皇陵と習ったのですが今では「大仙古墳」と教えているようです。。世界遺産に登録されようとしている墓が、調査できず誰のものかも分からないなんて、不思議な話です。大阪府、堺市と宮内庁の話し合いは続いているようですがなんとか門戸を開いてもらいたいものです。


以上、仁徳天皇陵の世界遺産登録に対する私の想いを綴ってきましたが、他にも伊丹廃港やWTCへの府庁移転、カジノ誘致等も、私は全て「関西の閉塞感を打ち破るために必要な手段」だと考えています。もしそれら無くして今後も関西が低迷することなく発展できるなら、固執しません。今はアイデアを色々と出し合って、「何が関西にとって最良のカンフル剤となるのか」を真剣に考える時期だと思います。


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