「文藝春秋」の六月号に「これが日本経済最終手術プランだ」という題名の対談が出ていた。
対談者は、野口悠紀男さん(早稲田大学ファイナンス研究か教授)、伊藤元重さん(東京大学大学院経済学研究科教授)、小幡績さん(慶應義塾大学ビジネススクール准教授)。
題名は勇ましいが、内容は「国債が暴落しそうだから消費税を増税して税収を増やさなければならない」「日本には政治的なリーダーシップがない」といった言い古されている当たり前のことが多かった。
その中では、ソニーとアップルを比べて論じているところは、当たり前のことなのかもしれないが重要な指摘だと思ったので、その部分を引用する。なお、太字になっているところは、私が注目し太字に変えた部分。
伊藤氏
「…パソコンのマッキントッシュも、ウィンドウズに押されっぱなしで、アップルは苦難の歴史だったのです。
ただその間に世界中の部品メーカーとネットワークを作り、ノウハウを蓄積したことが花開いた。iphoneの場合、メモリはサムスン、液晶は台湾、ソフトウェアはカリフォルニア、組み立てはフォックスコンという台湾系のEMS(受託生産サービス)が深圳でやっています。安くて高品質のネットワークをくみ上げたことで、宣伝などブランディングにお金を回すことができたのですね。それに対して、日本の電気メーカーが日本の部品メーカーと組んでたっても、ちょっと勝負にならないと思います。」
小幡氏
「アップルではなく、本来ならソニーがipodを出していてもおかしくなかった。アップルは一つの分野に特化しているから、しがらみもなく世界中の色んな企業を巻き込んでやれたのに対し、ソニーはソフトもハードも持っており、またゲーム、映画……とコングロマリット化していたため、身軽な動きができなかったという見方もできます。…」
上記の内容は、よく言われることなのかもしれないが、需要な指摘だと思う。日本の家電メーカーと比較した場合の韓国のメーカー・サムソンの強みについて論じる時などにも出てくる話である。「国際的水平分業」とか「グローバルな部品調達」という言葉で説明されることが多い。
アップルとソニーの話はここまでで、すぐに次の話題に移ってしまったが、この話題はもう少しいろいろな角度から論じて欲しいと思った。

スティーブ・ジョブズ 人を動かす神ーなぜ、人は彼に心を奪われるのか? (リュウ・ブックス アステ新書)

スティーブ・ジョブズ 神の策略 (リュウ・ブックス アステ新書)
対談者は、野口悠紀男さん(早稲田大学ファイナンス研究か教授)、伊藤元重さん(東京大学大学院経済学研究科教授)、小幡績さん(慶應義塾大学ビジネススクール准教授)。
題名は勇ましいが、内容は「国債が暴落しそうだから消費税を増税して税収を増やさなければならない」「日本には政治的なリーダーシップがない」といった言い古されている当たり前のことが多かった。
その中では、ソニーとアップルを比べて論じているところは、当たり前のことなのかもしれないが重要な指摘だと思ったので、その部分を引用する。なお、太字になっているところは、私が注目し太字に変えた部分。
伊藤氏
「…パソコンのマッキントッシュも、ウィンドウズに押されっぱなしで、アップルは苦難の歴史だったのです。
ただその間に世界中の部品メーカーとネットワークを作り、ノウハウを蓄積したことが花開いた。iphoneの場合、メモリはサムスン、液晶は台湾、ソフトウェアはカリフォルニア、組み立てはフォックスコンという台湾系のEMS(受託生産サービス)が深圳でやっています。安くて高品質のネットワークをくみ上げたことで、宣伝などブランディングにお金を回すことができたのですね。それに対して、日本の電気メーカーが日本の部品メーカーと組んでたっても、ちょっと勝負にならないと思います。」
小幡氏
「アップルではなく、本来ならソニーがipodを出していてもおかしくなかった。アップルは一つの分野に特化しているから、しがらみもなく世界中の色んな企業を巻き込んでやれたのに対し、ソニーはソフトもハードも持っており、またゲーム、映画……とコングロマリット化していたため、身軽な動きができなかったという見方もできます。…」
上記の内容は、よく言われることなのかもしれないが、需要な指摘だと思う。日本の家電メーカーと比較した場合の韓国のメーカー・サムソンの強みについて論じる時などにも出てくる話である。「国際的水平分業」とか「グローバルな部品調達」という言葉で説明されることが多い。
アップルとソニーの話はここまでで、すぐに次の話題に移ってしまったが、この話題はもう少しいろいろな角度から論じて欲しいと思った。

スティーブ・ジョブズ 人を動かす神ーなぜ、人は彼に心を奪われるのか? (リュウ・ブックス アステ新書)

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