曖昧 | N360の部屋

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昭和の名車(笑)NⅢ360を楽しんでます。

N360アンテナベース量産化に向けて地道に検討を続けて来ました。

劣化した純正品に比べれば十分との声も有りますが凝り性の私はその後苦節1ヶ月を掛けてブラシュアップしました。


先ずは樹脂製のアンテナトップです

50年の歳月は樹脂製であるアンテナトップはもはやボロボロで表面は剥離し一部には穴が開いてます。

これを3Dプリントで再生です。


ABS材より耐光性の高いASA材でプリントです。
これで機能的には全く問題ないんですが見た目がちょっと気になります。
3DプリントのFDM方式では溶けた素材を一層づつ積層していくので積層痕が表面に残ります。
金型に溶解した素材を充填する射出成形に比べ表面の滑らかさが違います。
積層ピッチを小さくすれば対策できますが当然その分プリント時間は倍々に増えてしまいます。
もう一つの対策は3Dプリント時の設定にファジースキンと言う機能があります。
ファジー=曖昧な、スキン=肌の意味ですね。
これはプリントする際にヘッド部に振動が起こり表面が粗くぼやける機能です。

これがファジースキンOFFの状態です。

ファジースキンをONにするとデータでも分かる様に表面がザラザラした感じになります。

これをONにしてプリントします。


明らかに表面が荒れて積層痕が目立たなくなります。


これで十分との声も有りますがまだまだいきます。

3Dプリントではバイオマス材のPLAが一般的ですが、ABS材を含めたエンジニアプラスチックの場合はアセトン等の溶剤にて表面を溶かす処理が出来ます。

タッパーに入れたウエスにアセトンを浸しプリントしたのを入れて密閉して放置します。


小一時間ほどの密閉/放置ですが明らかに表面が溶けて滑らかになります。

しかし大きな問題も有ります。

アセトン溶剤による密閉/放置のコントロールがかなり難しそうでとても量産化は無理でしょう。


更なる可能性としてDMMさんで使えそうな素材を検討します。

先月のDMMさんで7割引きの素材です。

しかしABCライクの耐熱温度が60℃程ですがオプションの90℃の耐熱処理をする事により0.45MPaでのHDTが90℃まで向上する様です。

しかし残念ながら耐熱処理出来るのが白色のみです。


もう一つの素材がナイロン系のPA12Wです。

此方はDMAにて黒色への染色も可能で、比較的表面がザラザラなんですがバレル処理の磨きが追加出来ます。

耐熱/耐光性を考えるとベストですがDMMさんでの外注のなるので価格に対して不利となっちゃいます。


アンテナトップのベースも色々検討です。

かろうじてゴムの弾力を維持していますが表面は亀甲状で間もなく逝っちゃいそうです。

DMMさんの7割引きとうい事で試作で発注しましたがゴムの雰囲気が良くショア硬度も指定ができます。

しかし根本的な問題点としては耐熱温度が車載条件を満たしていない様です。

残念…

TPU材にてプリントも出来ます。

ショア硬度も95で問題ありませんがやはりサイドの積層痕が目立ちます。

これもファジースキンの設定で良い雰囲気なります。


最終的判断です。

トップがPA12WBlack磨き+ベースがTPUファジースキンの組合せがベストとの判断です。

DMMさん外注でちょっとコストはかさみますのでトップASA+ファジースキンも有りかも知れませんね。



最終判断は9月中旬より私のN360にて猛暑に中の実装耐久試験の結果です。


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