2月の読書 | うさぎと読書と、双極性障害と。

2月の読書

2月の読書メーター
読んだ本の数:16
読んだページ数:4337
ナイス数:618

とにかくうちに帰ります (新潮文庫)とにかくうちに帰ります (新潮文庫)感想
初読み作家さん。 大きく3篇からなる作品で、どれも日常の端っこをつつき話を膨らませるような印象を受けた。端っこをつつくがゆえ、それが分かる人にはあるある的な面白さがあるのだろうけど、「職場の作法」は事務職系OLのお話で、営業職系OLだった私にはピンとこなかった。 表題作は、土砂降りの雨の中を家に帰る話をよくここまで膨らませたなと感心するなあ。自分も帰宅困難者になったかのように感じながら読んだ。
読了日:02月27日 著者:津村 記久子
誰かが見ている誰かが見ている感想
他人の不幸を見て自分の幸せを実感する…とてもリアルな4人の女性たちが繰り広げるサスペンス。それぞれの女性が抱える悩みは重くリアリティがある。結婚、育児はなぜに女性がこんなに苦労するのか。これがデビュー作とは、今後も楽しみな作家さんがまたひとり増えた。
読了日:02月25日 著者:宮西 真冬
ちょっと早めの老い支度 (ORANGE PAGE BOOKS)ちょっと早めの老い支度 (ORANGE PAGE BOOKS)感想
50代のちょっと早い老い支度について色んな観点で書かれている。 そうなって老いていくんだなと思ったり、早くも自分に当てはまる事あって焦ったり。 軽いエッセイだけど、実践的な内容で読んでよかった。 あるだけの物で暮らす。大事、大事。
読了日:02月21日 著者:岸本葉子
「子なし」のリアル (経営者新書)「子なし」のリアル (経営者新書)感想
子どものいない人を蔑称的に「子なし」と呼ばれてるんだね。私も子なしなので、子なしの思いや葛藤、それに至る背景は想像や共感が及ぶ範疇のもの。子なしが原因で職場で子あり女性からそんな嫌がらせをされてるなんてにわかに信じがたい。冒頭で多様性を尊重できる社会に!とあるので、「子あり」のリアルも聞かないといけないのでは?
読了日:02月21日 著者:奥平 紗美
君の望む死に方 (ノン・ノベル)君の望む死に方 (ノン・ノベル)感想
末期ガンで余命半年の社長が最期に望んだのが、自分を殺す動機のある社員に自分を殺させる事だった。 研修合宿を利用して殺害される為の小細工を施すが…。 犯人役と一緒になって殺害方法を考えたり面白かった。 頭キレキレの女性が出てきたら太刀打ち出来ないなあ。 すごく面白くて一気に読んだのだけど、結末が、で?どうなったの??
読了日:02月19日 著者:石持 浅海
神様の贈り物 (講談社文庫)神様の贈り物 (講談社文庫)感想
脳の腫瘍のために無表情、無感情な殺し屋チャンス。意表を突いた主人公に驚いたが、頭を撃ち抜かれた時の手術で人間らしさを取り戻してからは切ない話だった。なかなか面白かったが、終わり方が、え?そこ?だったので続きはどうなったのやら。。
読了日:02月16日 著者:木内 一裕
希望が死んだ夜に希望が死んだ夜に感想
母子家庭で貧困状態にあった14歳の少女が同級生を殺害したが動機を語らない。 少しずつ真相が見えてくる中で、あまりにも悲しい現実が浮かび上がってくる。 貧困家庭にある本当の状況は、持てる者には想像が及ばない。 何ともやりきれない思いで読了。
読了日:02月13日 著者:天祢 涼
弱者はもう救われないのか (幻冬舎新書)弱者はもう救われないのか (幻冬舎新書)感想
所得格差はどんどん広がる中で、まさにタイムリーなテーマではあるが、文章なのか、言い回しなのか、かなり分かりにくかった。著者の本は読みやすいのだけど、これは苦戦した。 「なぜ弱者を救わないといけないのか?」が一番興味深く、この本のキモではないだろうか。自己責任についても考えさせられる。
読了日:02月11日 著者:香山 リカ
友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」感想
ラグビー界の大スター平尾氏とiPS細胞の山中氏の対談を含めた友情の証。 ラガーマン同士、短い間で急速に親しくなり、平尾氏の闘病にも持てる人脈と知識を総動員し医師として友として寄り添った。 信頼し合ってる二人の姿に何度も涙しながら読み終えた。 この本からはお二人の素晴らしい人柄がものすごく伝わってくる。
読了日:02月10日 著者:山中 伸弥,平尾 誠二・惠子
ディア・ペイシェントディア・ペイシェント感想
デビュー作に続いて2作目。総合病院に内科医として勤務する女性医師が直面するモンスターペイシェントがテーマ。いつから「患者様」と呼ぶようになったのだろう。横柄な患者とか本当にあり得るのかと思うがリアルなんだろう。医療訴訟とか気の毒で涙涙だった。患者のモンスター化でさらに医師が疲弊して、それは自分たちに跳ね返ってくると思うんだけどなあ。次作も楽しみ。
読了日:02月09日 著者:南 杏子
三人暮らし三人暮らし感想
ひょんな事から一緒に暮らす事になった色んな形の三人暮らしのお宅が10軒。すごくいい!夢があったり優しさがあったり、どのお話も人との緩い繋がりっていいなと思わせられる。私ならどんな形の三人がいいかなあ。「バラの香り」が一番好き。
読了日:02月07日 著者:群 ようこ
機長、事件です! 空飛ぶ探偵の謎解きフライト機長、事件です! 空飛ぶ探偵の謎解きフライト感想
新米パイロットのお仕事ミステリー。美人で秀才でクールな女性機長と一緒に初の国際線フライトで起きたハプニングのあれこれ。ミステリーとしては軽めだけど、登場人物のキャラが魅力的でずっとワクワクしながら楽しく読めた。パイロットや飛行機についての描写が詳細で、相当取材したのだろうと思ったら巻末を見てびっくり!ご両親とお姉さんがパイロット!!すごいねぇ。
読了日:02月06日 著者:秋吉 理香子
サハラの薔薇サハラの薔薇感想
考古学者たちが乗った飛行機がサハラ砂漠に墜落し、運良く生き残った者たちの生還劇。 水食糧なしでオアシスを目指すが生死をかけた過酷な状態で殺人まで起きる。 ハラハラドキドキしながらページをめくるめくる!テンポよく展開し、砂漠のシーンは映画を観てるように映像が浮かんでくる。 砂漠で圧倒されて、もともとは何だっけ?な状態でちょっと呆気なかったかな。 すごく面白かった。
読了日:02月05日 著者:下村 敦史
貘の耳たぶ貘の耳たぶ感想
出産後の不安定な状態で、我が子を他人の子とすり替えた女性。同じ病院で同じ日に出産した女性ふたりの物語。 そんな事があり得るのかと思いつつ先が知りたくて一気読み。親に振り回され子どもが一番可哀想だ。お腹痛めて産んでナンボみたいな出産とはかくあるべしとか、育児とはかくあるべしみたいな強迫観念が招いた悲劇なのだろうか。
読了日:02月03日 著者:芦沢 央
「家族」難民: 生涯未婚率25%社会の衝撃「家族」難民: 生涯未婚率25%社会の衝撃感想
かつての日本は家制度が社会保障制度の役割を果たしていたが、今は晩婚化、非正規社員の社会保障の役割を親が果たしている。そして間もなく来る親の死・・・。 今の日本の問題点が分かりやすく、バランスよく整理されていて説得力があり、その解決策もうなづける。 結婚してようが子どもがいようが誰でもシングルになる時代。かなりよかった。
読了日:02月02日 著者:山田昌弘
余命10年 (文芸社文庫 NEO こ 5-1)余命10年 (文芸社文庫 NEO こ 5-1)感想
著者プロフィールを見た瞬間からある予感を持って読み始めた。 20歳の時に難病で余命10年を宣告された女性の残された時間の過ごし方。 あまりにも切なくて哀しくて、愛おしい時間を過ごしたのだろうと感じる。 10年は死に怯えて過ごしには長すぎるし、何かをするには短かくて。 こんなにリアルな心情を綴れるのは最初に抱いた予感が当たってるのだろう。後半は声をあげて泣いた。
読了日:02月01日 著者:小坂 流加

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