冬茜 | 詩の旅

冬茜

「冬茜」

夕暮れ、ポケットに手を入れて
石ころ蹴飛ばし歩いた

熱い思いも、スープのように冷めるなら
急いで、あの坂道駆け登ろう

叶わぬ夢と明日を捨てるより
冬茜のように、この胸を染めて生きよう


帰り道、君は落ち葉を拾って
大切そうに、本にはさんだ

尊いものに、気付く事が出来たなら
俺は、もっと人に優しくなれただろう

道が、遠くて、遠いほど
冬茜のように、この胸を染めて生きよう


乾いた心に、水をあげようよ
その瞳に、涙があふれるほど

誰も一人じゃ、何も出来ないさ
出会いと別れ、全部かみしめて


旅に、終わりが来るのなら
冬茜のように、この今を染めて生きよう

生きよう

生きよう






旅は、まだ続く。