2014-06-25 22:05:53

「エイリアン・クロール」について語るふりをしながら結局自分のことを語る俺

テーマ:ブログ
 基本的に俺友松は他人が作った映画については語らない。もちろん個人的に誰かと会話したりはするが、ネット上を含む不特定多数の他人の目に触れるところで発言したり文章化したりはしない。また例えば同業者の友人の作品を観たりして感想や意見を求められても、通り一辺の賛辞を述べてお茶を濁すことが多い。あまり突っ込んだ作品批判はしない。なぜかと言うと、それはもちろん俺が自分にしか興味がないからだがそれだけではない。他人の作品批評をしてもそれは「俺ならこう撮る」という話に始終してしまうからだ。そして「じゃあ自分の作品でそう撮れよ」と返されて終わってしまう。つまり作り手同士の相互作品批評は無意味という話である。
 まがいなりにもシナリオ作品を合わせると軽く百本以上の映画を作ってきた俺友松である。いや、超低予算のクズ映画エロ映画ばかりであるから世間的に映画監督を自称するのは気が引けて親戚の集まりや警察の職務質問には無職と応えるわけだが、それでもそれなりの、まがいなりにもまがいものなりの創作理論というものを持っている。そしてそこには絶対のとまでは言わないまでもある一定の自信を持っている。今低予算映画で一番面白い作品を量産しているのは俺、などと根拠なく自負していたりもする。なぜかと言うとそれはもちろん俺様が偉大だからなのだが、そればかりではない。映画を作るのにはこうした自惚れが必要不可欠なのだ。
 映画制作は小説や漫画のような個人作業ではなく、多くの人材機材と資金が導入される集団作業である。つまり自分の作品を作る為には多くのスタッフ、キャスト、プロデューサー、スポンサーに自分の考えを説明して議論して論破してねじ伏せて従わせなくてはならない。天上天下唯我独尊。自分が正しいという確信もなしにそんな面倒なことができるものか。
 さあ、そこでオクラハマ・ウォード監督作品「エイリアン・クロール」だ。なぜ他人の映画について語らない禁を破って敢えて書くかというと、オクラハマ・ウォード監督と彼ら制作チームの熱意に感動したからである。共感したからである。彼らもまた、自分が正しいという絶対の確信を持つ者たちだからである。
 俺の映画は金がないので宣伝費は0円である。例えば8月9日から15日の一週間、池袋シネマ・ロサでのレイトショー公開を控える「劇場版レイプゾンビ LUST OF THE DEAD 新たなる絶望」は製作費が350万円である。俺の脚本料も監督料も全部現場につぎ込んだので俺の収入は0円。その上で、池袋シネマ・ロサを個人で借りて自主興行する。客入りが悪けりゃ俺が劇場に弁償する契約だ。その為にアルバイトしたりもする。そのような台所事情で宣伝費なんかあるわけないのである。
 だからツイッターやブログを使う。「レイプゾンビ」を言語検索して呟いた人相手にリツイートしたり、宣伝リプライしたりする。草の根宣伝だ。
 彼らもまた、それと同じことを国際規模でやっているのだ。
「エイリアン・クロール」は本国アメリカよりも日本で先に発売になったのだが、その辺りの事情は、こちら「ホラーSHOX呪」に詳しい。
 とにかくツイッターやフェイスブックで宣伝しまくっているという話を、俺は電撃チャックさんのツイートで知った。

電撃チャック ‏@darknesschack
アメリカン友松監督伝説。「エイリアン・クロール」と呟くとオクラホマ・ウォード監督にリツイート&フォローされる都市伝説は実在する。

友松直之レイプゾンビ完結編今夏公開 ‏@ntomomatu
カタカナでいいんですか?それ、各国語でエゴサーチしてるってこと?頭が下がりますね。わしゃ日本語対応しかできませんぜ…(恥

電撃チャック ‏@darknesschack
そうなんです、カタカナでいいんです。

Hiro Fujii ‏@horrorshox
いま彼らがつくったサンキュービデオの字幕をつくっているんですけど、この中に「もし万が一私たちがあなたのtweetを見逃すことがあったら、どうか知らせてください。みんなの声を聞くのが大きな喜びである」なんていう箇所がありました。
強烈に熱いマインドの方々なんですよ。みためまだ若いんですが、しゃべってる内容を聞いているとえらい苦労をしたのかなってかんじがします。インディーズ!

 と、こちらのHiro Fujiiさんこと藤居さんは、前述「ホラーSHOX呪」を作ってらっしゃる方で、「エイリアン・クロール」の日本に置ける草の根プロモーションの中心というか代表というか出先機関のような役割をしてらっしゃる方で、俺とはさかのぼること数週間前に、藤居さんが読者プレゼントとして何本かのDVDを提供しておられ、そこに俺のピンク映画作品「囚われの淫獣」があり、エゴサーチで見つけた俺から接触を持った。「STACY」の話をしたりして、ではプレゼント用に「STACY」のVHSテープを提供しますよとか、そのかわり「レイプゾンビ」のレビューも書いてくださいよとか、そのようなお付き合いがはじまったばかりであった。
 で、その藤居さんが先の俺と電撃チャックさんの会話をオクラホマ・ウォード監督に伝え、本当に彼らが、今度は俺をフォローしてきたのである。しかも俺のレイプゾンビツイートをリツイートしてくれたりして。当然俺も仁義としてリツイートを返す。

Hardcore Horror Fan ‏@EXTREMEINDIE
Thank you so very much for the RT about #CRAWLorDIE #ALIENCRAWL #エイリアンクロール!! :)

Nicole M Alonso ‏@nicolemalonso
Thank you so much for the RT about #CRAWLorDIE #ALIENCRAWL #エイリアンクロール!! :)

友松直之レイプゾンビ完結編今夏公開 ‏@ntomomatu
こちらこそ、レイプゾンビ拡散協力、ありがとうございます。エイリアンクロールは実はまだ観ていないのですが、早速観ます!

Hardcore Horror Fan ‏@EXTREMEINDIE
Thank you! We are watching your interviews now ;-) LOVE them!!!!

友松直之レイプゾンビ完結編今夏公開 ‏@ntomomatu
ありがとうございます。機会がありましたら是非本編も観てください。アメリカでも発売中!
Lust of the Dead http://amazon.com/dp/B00DSAUN9M/

Nicole M Alonso ‏@nicolemalonso
Thank you! @oklahomaward and I will watch it! ;)

友松直之レイプゾンビ完結編今夏公開 ‏@ntomomatu
ありがとうございます。日米友好万歳!(笑

Hardcore Horror Fan ‏@EXTREMEINDIE
YES lolololol HURRY!!!! ;-)

電撃チャック ‏@darknesschack
友松監督がオクラホマ監督に向けた「日米友好万歳!」は無予算映画史上に残る名言です!だって「レイプゾンビ」と「エイリアン・クロール」の友好だよ!凄いじゃん、それって!

友松直之レイプゾンビ完結編今夏公開 ‏@ntomomatu
今日、「エイリアン・クロール」Amazonから購入手続きしましたがな(笑)
Twitter草の根宣伝は効果が実感できなくて心が折れそうになるけど、映画超大国アメリカでも同じことをやってる仲間の姿に、やはり必要なことだと実感。DVD買っちゃったよ(笑)

 はい。鑑賞しました。
 内容についてはこちら電撃チャックさんのブログを参照してもらおう。

皆殺しの天使は電撃チャックの夢を見るか

 毎度のごとく的確なレビュー記事でありつけ足すことはないくらいなのだが、しかし他人任せにURLだけ貼付けて自分は何も書かないのは、本人たちと知り合って相互フォローしてしまった以上、これは仁義に反するだろう。
 はい。では感想。これは、俺が絶対に撮らない映画であった。絶対に撮れない映画とも言える。
 オクラホマ・ウォード監督らが日本でのセールス展開を非常に気にして草の根プロモーションに非常に熱心なのは、輸入販売会社の担当者に「エイリアンクロール」のような映画は日本では売れないと言われて、そんなことはないことを証明したかったからだという。
 担当者いわく、日本のホラーファンは、
①女のハダカがないと観ない。
②血飛沫がたくさん飛び散らないと観ない。
③派手なモンスターが出ないと観ない。
 へええ、そんなこと言われたんだ。日本の輸入販売会社の人はそんなこと言うんだ。これはちょっと意外であった。ホラー、スプラッターを愛する俺は、暇ができればレンタル屋に出掛けて行って、国内外のB~Z級ホラー映画を鑑賞して楽しむのであるが、その感想の多くが、もっと女のハダカ出ねえかなあ、もっと血飛沫飛び散らねえかなあ、もっと派手なモンスター出ねえかなあ、なのである。まさか、輸入販売会社の人が同じことを考えているとはびっくりだ。じゃあ、何でもっとそういう作品がないんだよ。ああ、まあ、俺もそうそうすべてを網羅できているわけでもないので、探せばちゃんともっとあるのかもしれませんが。
 また、俺が、さあ俺の撮りたい映画を作るぞ! と意気込む時、何を考えるかと言うと、
①まず女のハダカを出そう。
②次にいっぱい血飛沫を飛び散らかそう。
③ついでに派手なモンスターが出せたらいいなあ。
 である。女のハダカと血飛沫と派手なモンスターが出てくれば、それがエキサイティングな映画にならないわけがない。あれえ? おかしいなあ。だったら①②③の要素を兼ね備えた俺映画は日本でももっと売れてもいいはずなのだが、全然売れていないのはなぜだ?
 さらに俺がそういう企画を持ち込んでもなかなか製作が実現しないのはなぜだ? ピンク映画会社やVシネマメーカーは、血なんか出したらオナニーできないから駄目と、血飛沫どころか鼻血さえ否定するし、エロ表現だけなら専門の成人番組もあるが、そこにグロ表現ゴア描写が加わるともういけません。CSを含む全てのテレビ放送から締め出しを食らう。それでは回収できないから企画として成立しない。だから俺の企画なかなか通らない。通っても予算がなく、レイプゾンビのように自腹を切って製作することになる。
 生活しなくてはいけないので、受注仕事は仕事としてちゃんと受ける。日和る。妥協する。
①女のハダカは出るけど
②血は一滴も出ない
③モンスターももちろん出ない
 というエロ作品もちゃんと真面目に作る。
①女のハダカも出ないし
②血は一滴も出ない
③モンスターももちろん出ない
 という何にも出ない着衣の人間ばかりが右往左往するだけのシナリオを書いたりもする。
 まあ、やったらやったで面白い。俺も楽しいし作品も面白い。求められてそれに応えて能力を発揮するのは、義務を果たすのは、けして気分の悪いことではない。
 だが、彼らはそれを潔しとはしなかった。あくまでも閉所恐怖をあおるトンネルを進む、狭い狭いアクション映画を作った。ゴリゴリと作り上げた。妥協も日和もない力技である。
 星間移動は場面省略される。ああ、俺なら嘘でも安いCGでも、ピアノ線の見えるプラモデルのハリボテでもいいから、宇宙を出すかもな。とか思う。でも彼らはそれをしない。バッサリ省略する。暗いトンネルを這い進むというのは、「エイリアン2」でビショップがやっていたし、第一作でも艦長が探知機片手に換気扇の通風路に入り込んで探す場面があった。あそこの場面を切り取ってきて、ひとりづつ仲間が殺されて減っていき、トンネルはどんどん狭くなる。そう、狭くなるのである。
 まあ、娯楽作品の基本としてはクライマックスは畳み掛けだよな。次々と苦難が、強敵が現れて、仕掛けは大きくなる。さあラストバトルだ! ラスボス登場だ! となるはずなのだが、仕掛けが大きくなるどころか、トンネルが狭くなるのだ。いや、確かに危機は増したよ? ピンチにはなったよ? でも、仕掛けは小さくなってるじゃないか。もう天井と床に挟まれて身動きさえ取れないじゃないか。
 運ばれ役のお姫様の展開はあれでいいのか? まさかこのまま放っておくんじゃないだろうな? いや、そこまで基本は崩さないか。彼女が実は生きていることがわかって、それを決死の覚悟で助けに行ってくれるかもしれないな。ああ、リプリーが少女を助けに走る2のタイムサスペンス&カタルシスエンディングか。あれはいいな。基本だよな。そうかあれが見られるのか。それは楽しみだな。どんな仕掛けかな。って、そのままエンディングじゃないか。いいのかよ!
 俺はこれは撮れない。こんな構成にはできない。でも彼らはやるのだ。確信的にやって見せるのだ。モンスターについては、なかなかいい感じで活躍してくれるが、やっぱり全貌を見せてくれないのは不満が残る。俺は見たかった。あるいは、俺なら見せる。でも彼らは見せないのだ。
「ホラーSHOX呪」でも紹介されたいるインタビュー動画を見ると、モンスターの出てくるものも大好きだ、とオクラハマ・ウォード監督は語っている。次回作ではもっと見せるかもしれないとほのめかしてもいる。どうやら、今回彼らがモンスターバトルより、狭いトンネルの閉所恐怖にこだわったのは、何も閉所恐怖が好きだから描きたかったからというだけの理由ではなく、製作費が足りなかったからという台所事情もあったようだ。
 この予算で大仕掛けなローケーションは見せられない。じゃあ見せないでおこう。その代わりにトンネルをどんどん狭くしよう。この予算でモンスターバトルは、宇宙船の星間移動場面は見せられない。じゃあ、見せないでおこう。クライマックスの大逆転劇も無理だ。ではブツ切れのカッコよさで見せ切ろう、という、ああ、なるほど、低予算を逆手に取った選択なのか。
 俺なら、とまたしても俺の話で恐縮だが、俺なら、低予算でも見せる。低予算なりの笑っちまうくらいにチャチいものを見せる。あとは観客の脳内補完に任せる。ウルトラマンも大好きだが、ウルトラファイトも遊園地のぬいぐるみショーも大好きだった俺としては、その選択をする。そこは言わない約束の、お約束に頼る。
 ああ、俺とオクラハマ・ウォード監督の違いは、低予算の開き直り方の違いにあるのか。と思う。
 チャチいものを見せて失笑を買うより、いっそ見せないことで大作感を出そうとしているわけだ。もちろんそれはあり得る選択だ。
 実際、鑑賞後の感想として、見せてもらえなかった場面や展開に対する不満はあるのだが、それと同時に、見えない奥行とでもいうべき、背後の世界というものを想像する快感があるのだ。

 今度、俺もそのパターンをやってみても悪くないな。なんてことを思っている。

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