演劇「津軽」 | キャリアカウンセラー 工藤 倫子のブログ ~RINKO KUDO~

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「夢をカタチに!」 私と一緒に夢を探しませんか?

皆さまこんばんは。

いつも私のブログにお立ち寄りいただき

ありがとうございます。



青森の方がわざわざご招待チケットを

送って下さり、久しぶりにお芝居を見てきました。



青森県、青森県立美術館、

青森県立パフォーミングアーツ推進実行委員会主催の

演劇「津軽」 です。



こちらの演劇はなんと休憩時間に「軽食付き」なんです。


「軽食」ということだったので、

サンドイッチやおにぎりかなぁと思いきや

一人に一つずつ配られたお弁当の中身は


おむすび二種(かにむすび・若生昆布むすび風)

さば塩焼き

帆立煮串

イカと鮭の粕漬

なめことそばの実和え

みょうが甘酢漬

アスパラガス揚げ

赤蕪漬

胡瓜漬


と、かなり豪華なもので、驚きました。

太宰治が好んで食べたものをお弁当にしたそうです。




さて、肝心の内容ですが



昭和19年、太宰は久しぶりに故郷津軽を旅する。
その旅で太宰はそれまでマイナスのイメージしかなかった津軽に、
「そこに住む人々」をとおして新しい価値を見出す。
それは、津軽の人々が持つ「大らかさ」であったり、「優しさ」であったり・・・。
そして、2010年、66年の時を経て、津軽を旅する女性紀行作家。
彼女は66年前の太宰と一緒に津軽半島を旅する。
66年を経て、津軽はどう変わったのか。
そしてどう変わらないのか・・・。 




舞台上を何度も何度も

一輪車に乗った大勢の少年太宰が行き来します。


その度に何故だかジーンとしてしまいました。



地元青森の方もキャストとして大勢参加されているのでしょう。


本当に流暢な津軽弁の台詞は、地元の人間でも聞き取れない人も

いるのではないかと思うくらいコッテコテ・・・。


でも、それが私にとってはもう涙モノでした。



私だけでなく

あの会場にいた殆どの方は青森の関係者か

太宰ファンでしょうから

あの津軽弁が心地良い・・・もしくは懐かしくて

涙ぐんだに違いありません。



特に印象的だったシーンは




これから「かけおち」をするんだ

という少女が姉と二人で駅で話しをしているシーン。

2人の姉妹が駅で汽車を待っているところにお母さんが現れ

「夏服を持ってきたから」

と大きなバックを3つも持ってきます。



「後から送ればいいのに」

という長女の言葉に

「そしたら、懐かしくなって帰りたくなってしまうでしょう。」

というお母さん。


そして

これからかけおちをするという娘の携帯から

家と自分の携帯の番号を消去する。


「見るとかけたくなるでしょう。

あなたはもう、うちの人間ではないのよ。

彼を信じて一緒にいればいいのよ。」


というお母さん。



そして、大きなバッグを両手一杯に持った娘は

唇に切符を挟み、電車に乗り込みます。


唇に挟んだ切符に鋏を入れる駅員。



小説「津軽」の最も美しい場面を

再現したものだ。





最後に太宰が訪ねた「たけ」



たけの

「いつもあなたのことを思って

この数十年暮らしてきたんだ」

「お腹が空いていないか?」

「子どもはいるのか?」

「ご飯はちゃんと食べているのか?」

「お餅を食べていかないか?」



ということを津軽弁でとつとつと

語りかけていくのですが、

ここは本当に自然と涙が溢れました。




カーテンコールが鳴り止まない中

「たけ」役の方が足を引きずりながら

舞台上から降りてきて

涙を拭っていました。



その姿は本当に感動的で涙が止まりませんでした。




会場には「津軽」を想う人々の拍手が

いつまでもいつまでも響いていました。




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演劇「津軽」は

来年の4月30日~5月5日までの間

青森県立美術館 野外特設ステージにて公演されるそうです。



興味のある方は是非是非行ってみて下さいね。



きっと温かな津軽の風に

包まれ、優しい気持ちになれると思います。