アフリカのトラ、ガタフィーが
イラクの独裁者フセインの最後を再現したような、穴倉での発見の報道に、滅びゆく独裁者の終焉の惨めさを思った。



イラクの独裁者フセインがアメリカによって滅ぼされたのとは違い、リビアの独裁者ガタフィーはリビア国民によって滅ぼされた。



フセインの滅びはイラク国民が求めたと歴史は判断しないだろうが、ガタフィーの滅びはリビヤ国民が求めたと歴史は判断するだろう。



アラブの春と呼ばれた民衆革命。魁はチェニジアのジャスミン革命。ジャスミン革命の風は、リビアを通り越しエジプトに飛んで、ムバラク政権を崩壊させた。更に、中東の国々を吹き荒れながら、リビアにもやってきた。そして、北アフリカのトラ、アフリカ最後の独裁者ガタフィーもその風に飲み込まれた。



肩書きを持たない特異な独裁者、永遠の大佐ガタフィーはリビアの民衆によって葬られた。肩書きを持たない独裁者アフリカのトラガタフィーは、アフリカ部族の誇りを掲げた反米の旗手であった。そのトラはNATOやアメリカの軍事力ではなく、圧政に苦しんだりビア民衆に葬られた。



新生リビアの道は険しくとも、独裁者の牙から開放された民衆は、自由を知り、自由を謳歌し、貧しさの中に希望を見る。自らの意思で選択可能な人生へ夢を見る。民主主義の国では当然の権利を独裁者の死で勝ち取ったリビアの人々の不安ながらも希望に満ちた出発だ。



北アフリカのトラ、アフリカ最後の独裁者カダフィの最後は、出身地でシルテだった。情報は錯綜し、最後の正確な状況はあやふやでも、ガタフィーが死んだのは確かで、アメリカ・オバマ大統領の声明が発表された。アメリカ大統領の声明は、ガタフィーの死を断定する。



ガタフィーの42年間の独裁政権の終焉だ。今年になってきたアフリカで3つ目の民主国家誕生だ。今年になって、チェニジア、エジプト、そしてリビアと、北アフリカの独裁国家が、民衆の力で民主国家へと生まれ変わった。そして、ジブリル暫定首相は、「この歴史的な瞬間をリビアの人々に捧げる。この国にもう脅威はない」と発表した。



「この歴史的な瞬間をリビアの人々に捧げる。この国にもう脅威はない」



新生リビアに栄光あれと祈