蝉の交響曲。
今日は一段と大きく聞こえる気がする。
聴覚のせいか、それとも心の問題か、
それとも真実蝉たちの鳴き声の音量、
音程が高くなったのか。


蝉の交響曲。
「8日目の蝉」そんな小説を思い出す。
読んだわけでもなくドラマも半端にしか観ないが、
一途に燃える命を謳う最後の鳴き声の音量、
命の声は大きくなったのか。


蝉の交響曲。
今日は一段と複雑に多くの鳴き声が重なう。
聴覚も心も問題はあるのを否定できない私だが、
必死な蝉の鳴き声の重奏は周囲を凌駕する音量、
蝉の最後の最後の命の声。


蝉の交響曲。
木があれば蝉が鳴き、夏が深まり声は大きく聴こえる。
都会のコンクリートとアスファルトの隙間でも、
奥深い森の中、海岸の防風林の中でも、
7日間の命の謳歌が大音量となる7月最後の朝。



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