転を意識した基本稽古 | 中山隆嗣の「活殺自在」

中山隆嗣の「活殺自在」

武道と癒しを中心に、生き方、日々のことを綴ります。

 昨日の話の続きです。


 BBK(ボディバランス空手)での稽古ですが、基本の「移動稽古(いどうげいこ)」終了後、今度は」を意識したテーマで行なうことになりました。


 その際、「移動突き(いどうづき)」の延長として「輪転突き(りんてんづき)」、「反転突き(はんてんづき)」を行なうことも考えましたが、最近やっていなかった「四方突き(しほうづき)」を行なうことにしました。


 前述の「輪転突き」・「反転突き」の場合、「移動突き」として行なうならば前方に歩を進めながらになりますので、ここではちょっと設定を変え、四方に方向転換をしながら突くということで設定レベルをアップすることにしたのです。


返し突き





















 この「四方突き」の稽古では、上のイラストに示した「返し突き(かえしづき)」がきちんと行なえるかどうかが大切になります。突く方向が四方という場合、前後という方向の意識は不可欠であり、また身体意識の養成としても中軸軸やそれを活用しての「転」の身体動作の稽古は必須です。


 そのため、実際には「四方突き」に先立ち、この「返し突き」からスタートしました。


 この場合、足裏の処理が大切です。ドタバタした大きな足の踏み変えを行なわないためには、「上足底」と「下足底」を上手く活用し、いずれの方向を向いても正しい「正整立ち(せいさんだち)」がキープできるようにしておかなくてはなりません


 昨日のブログでも書いたように、この日は湿度も高く、足裏にも汗をかいていた人がいましたので、それが運足時のブレーキにならないように注意してもらわなければなりません。無理をすれば、足裏の皮が剥けてしまうこともありますので、あまり急激に動かさないよう注意してもらいながらの稽古になりました。


 そのせいか、足裏に関するトラブルはなく、動きも思ったよりもスムーズでしたので、そこから「四方突き」を行ないました。


 具体的な動きとしては、その名称通り四方に運足しつつ突く、というものです。


 上のイラストで説明しましょう。


 最初は「追い突き(おいづき)」を行ない、「返し突き」で180度転身します。その様子が上のイラストですが、最初の「突き」が後方になっています。あいにく、イラストでは最初に後方に向かって突いていますが、そちらを正面とイメージして動作を考えてください。この場合、右足を1歩踏み出して突いていることになります。そして、「返し突き」により左拳で突いています


 「四方突き」の場合、ここから右足を90度右方向に踏み出して突き、さらにそこから「返し突き」を行ないます。ここまでを1呼吸で素早く行なうのが「四方突き」です。踏み出す足は、最初に右を動かした場合は右のみになりますので、反対の動作を行なう時は全て左足が動くことになります。


 その動きが前方と90度横、というのが「四方突き」の動作としての特徴になります。


 1呼吸で行なう、ということに際し、目から入る情報が目まぐるしく変化するために頭の中が混乱するのか、突く方向が分からなくなる人が出てきました。その為に動きが止まってしまったり、立ち方や「突き」自身の乱れも出てしまう人がいます。


 それでは「四方突き」として稽古する意味がなくなりますので、今回は素早く転身して突く、という点はとりあえず無しにして、方向を間違えないようにということで行ないました。


 その結果、だんだん崩れなくなりました。


 それは右足を動かす、ということでの話で、続いて行なった左足を動かす、ということになったら様子が変わりました。左右が違うだけで同じ動作だと説明しても、実際に身体を動かす側になるとそれまでのこととの関係から、同じく90度転身するところで間(ま)が空いてしまいます。1回引っ掛かってしまうと、その後も同じようなミスが多くなるため、ここでもスピードよりもきちんと身体を動かすことを優先し、こちらの号令に合わせるのではなく、自分の心の中でカウントし、そのリズムでやるように、ということをアドバイスしました。回数をこなすうちに少しずつ良いほうに変化してきましたが、同様の稽古を今後も続けることで、少しずつ身体の中に動きが染み込んでいけば、と期待しています。


前蹴り  さて、「四方突き」が終わると「四方蹴り(しほうげり)」の稽古です。


 「突き」の部分を「蹴り」に変えて行ないますが、使用するのは「前蹴り(まえげり)」です。


 簡単に言うとそれだけのことですが、「突き」と「蹴り」とでは身体の使い方が異なります。


 というのは、「突き」の場合はずっと両足が床に着いたままですが、「蹴り」の場合は技を出している時には片足になり、転身のタイミングも足を着地させた後のことですから、身体操法の意識も異なることになります。


 それがどのようなことになるのかですが、転身を意識しすぎるとまだ足が着地する前から方向転換しようとし、それがバランスを崩す原因につながることがあります。


 また、着地の後に転身する場合、転身までに間延びし、おかしな拍子になることがあります。


 いずれも「蹴り」ゆえの問題点となりますが、この日の稽古でもその懸念が的中しました。「四方突き」に比べると、全体的に問題点が出やすく、蹴る方向があやふやになってしまう人もいます。


 基本的には前述の通り、「四方突き」に準じていますので、90度横に蹴るところがありますが、そういう「蹴り」に慣れていない分、身体のほうが一瞬拒否しているのかもしれません。


 拍子が途切れることが続くと、できない自分に気持ちが向いてしまうのか、変な苦笑いが出て、動作そのものを止める人がいます。それでは意味がないので、ゆっくりで良いのでまずは続けましょう、ということで継続してもらいますが、そこからスタートすることで少しずつ質を向上させていくことになりました。


 こちらとしても一気に上級者の動きになるとは考えていませんし、むしろどこからスタートすべきかが分かるほうがアドバイスもしやすいものです。そういうことが分かった分、稽古の意義がありました。「四方蹴り」の場合、「前蹴り」以外でも行なえますが、それはもっと後にとっておき、しばらくはきちんと下肢の操作ができるようになることを目標にしたいと思います。


 稽古はこの後、「基本型(きほんかた)」を行ないましたが、長くなるので今日はここまでにしたいと思います。







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