人気の高い政治家が中心となって新党を立ち上げることははこれまでにも多くあった。古くは1976年河野洋平氏が自民党を離党して立ち上げた新自由クラブと、翌年江田三郎氏が社会党を離党して立ち上げた社会市民連合。私もこの政党の結成に参加した。55年体制と呼ばれた自民党と社会党の古い体質を批判しての立党で、その政治理念に共鳴する人が参加した。

 
 その後政権交代につながったのが1992年に細川護熙氏が立ち上げた日本新党。知事や市長経験者が新党を立ち上げる例がこれから広がった。最近では橋下徹氏の日本維新、小池都知事の都民ファースト。
 
 人気のある新党には候補者が集まる。政治信念に共鳴して参加する人と、政治信条に関係なく議員になりたいために参加する人とがあり、多くの場合玉石混交だ。そのため、日本維新のように、当選後次々と離党したり、非常識なトラブルを起こす議員が後を絶たない。
 
 都民ファーストはどんな政党か。どんな政治理念を持つ政党か。維新の党も最初は「分権の党」、「第三極の党」と称したが、実際には「集権的な党」で、しかも自民と民主の間の第三極ではなく、自民より右翼の党であることが明らかになった。
 
 都民ファーストの場合、都政に関わる政策以外の政治理念は全く分からない。原発ゼロに賛成かどうか、共謀罪に賛成かどうか、全く不明だ。そうしたことを東京の有権者はどう判断するのだろうか。