「原発ゼロ」の決意の本の出版に合わせて、今月15日、新宿のロフトプラスワンで、三上湖西市市長と共に講演とトークを行う。



  事故直後の事実報道には、その後の検証の結果、間違った内容が多かったことが分かってきた。そのため、事故の真の厳しさが国民全体には十分に理解されていないように私には思える。新しい本はその後検証された事実に基ずいて、事故の真の危機について語ったものだ。



 なぜこのような間違いが起きたのか。事実関係の一次情報の多くは東電福島第一原発の事故現場から出てくるが、間違いが現場に原因がある場合と、情報を現場から聞いて関係者に伝える東電本店にある場合とがある。


 


 現場に原因がある例としては、例えば3・11当日夜まで、1号機には水位が燃料棒の上までありメルトダウンはしていないと伝えられて報道されたが、実は水位計の誤動作で、1号機は津波の直後から水が蒸発し危機状態になっていたことが後に分かった。また東電本店に原因がある例としては、1号機の水素爆発など現場と直通のテレビ会議システムで知っていたはずの情報が、民間テレビが放送するまで本店から政府機関にもマスコミにも伝えられなかったケースだ。



  いったん報道された情報は、間違いが分かっても同じ大きさの記事で訂正されることないため、誤った印象がそのまま残る。



  私の前の本では「神の御加護」があったと書いた。政府事故調の報告書でも4号プールに原子炉から水が流入したことを“幸運”と表現している。この“幸運”がなければ今東京は無人の街になっていたことを安倍総理はじめどれだけの人が認識しているのだろうか。



  2月15日19時からのロフトワンの講演では真実について語りたい。