3年3か月の民主党政権には三大功績があったと考えている。第一は消費税引き上げを含む「社会保障と税の一体改革」を法律として成立させたこと、第二は子供手当の充実や保育所の増設など、コンクリートから子供に政策の重点を移したこと、そして第三は福島原発事故を契機に「原発ゼロ」に政策のかじを切ったことだ。


  第一の消費税に関しては、日経新聞編集委員の清水真人著の「消費税、政と官との十年戦争」(新潮社)が取材に基づいて詳しい。なぜ、政権基盤の弱い民主党政権下で最大の難問の消費税増税の法案を成立させることができたかという疑問に立って、「増税までの『死屍累々』の舞台裏を追った政界ドキュメント」である。

 

 第4章の「菅直人の蛮勇と3・11後成案」では、与謝野さんに社会保障と税の一体改革担当大臣をお願いした経緯や小沢氏が仕掛けた菅内閣不信任案の経緯などが詳しく書かれている。この章を読んでもらえば、当時私が何を考え、どう行動したかがよく分かってもらえる。


  総理を退任して2年、この間原発事故以外では総理在任中のことを詳しく述べるのは遠慮してきたが、これからは事実については逐次表に出し、記録に残すようにしたい。