安倍総理は「原発推進」を「経済成長」政策の柱に据えている。これは二重の意味で時代錯誤だ。

  第一に原発は従来的な意味においても経済成長に寄与しない技術である事は今や世界の常識になりつつある。原発を作ろうとしている国は核武装やエネルギーの他国依存からの自立といった政治目的が本音で、廃棄物処理や事故時の損害賠償を考慮すれば経済的には割が合わない事は明らか。
  第二に、従来的な意味での「経済成長」が人間を幸福にするかという根源的問題。ブラック企業は企業経営としては「成功」していても、過酷な労働を人間に強い、人間を幸せにはしない。原発も究極の自然破壊をもたらし、人間を幸福にしない。

 セルジュ・ラトウーシュの「脱成長」は文明論として深い問題提起を含んでいる。安倍総理にも彼の著書を読むことを薦めたい。