安倍総理の歴史観、憲法観が改めてはっきりしてきた。安倍総理は太平洋戦争自体を肯定したいというのが本音。安倍氏総理はもともと太平洋戦争の開戦に閣僚として署名した祖父の岸元総理を正当化したいという個人的な思いが強い。


  無謀な戦争に突入した反省に立って、日本は敗戦の廃墟中から立ち上がり、復興を遂げた。その原点を否定するための憲法改正をもくろんでいるのが安倍総理。自民党内でも従来は少数派であったが、安倍政権により自民党の主流になっている。維新の会も同様だ。


  私は、村山談話や河野談話によって歴史認識の問題は近隣の国の理解も得て、越えることができ、これからは未来志向で行くべきと考えていた。そのことは戦争で亡くなった人を大事に弔うこととは全く矛盾しない。私もそのため、総理在任中、硫黄島の遺骨収集などに力を注いだ。


  安倍総理の、一私人として祖父岸氏を大切に思うことには誰も異論はない。しかし、一国の総理として太平洋戦争を肯定するということになると話は違う。そうした考えではアジアばかりか世界から孤立する。