大鹿靖明著の「メルトダウン」(講談社)増補版が送られてきた。ざっと目を通したが、「菅降ろし」など、当時の東電、経産省、自民党の動きなど詳しく取材している。船橋洋一著の「カウントダウン・メルトダウン上下」(文芸春秋)も米国関係者の発言も加えて詳しい。

 両者に共通なのは、政府事故調や国会事故調の報告書が出た後に、改めて関係者の話を聞き、東電テレビ会議の記録なども精査して書かれている。事故当時流された謀略的な偽情報や間違った憶測情報を相当程度している。

 これらの本の中で指摘された従来の報道と異なる点については、報道機関自身、間違っていたのかどうかを検証すべきだ。事実と異なる事を報道した場合、その記事が「歴史的事実」として残される事がないように訂正するのは報道した報道機関の責任だ。