昨日の「脱原発ロードマップを考える会」では、再稼働議論が激しく動いている中で、それとの関係で議論が噴出。ロードマップ案の文面を含め、世話人で再検討することとなった。


  現在すべての原発が停止しているが、停止したまま「脱原発」を進めるとしたら、何が問題となるかをさらに詳しく検証している。


  再稼働問題では、これまで①安全性確認が十分か、②電力が不足するか、を中心に議論されてきた。しかし実は、再稼働を進めようとしている動きの背景にもう一つの大きな論点がある。それは、③現時点で再稼働しないまま廃炉にすることを決めた場合に、電力会社が債務超過になり、経営が破たんしかねない、という問題だ。この問題は、電力会社自身にとってはもちろんだが、規制官庁にとっても極めて重要な問題。


  JALの破たんの時、法的破たん手続きによる債務処理、リストラなどを、定常運航を続けつつ順次処理した。電力改革においても、原発を持つ電力会社が、突然破たんするのは避けなくてはならない。 まずは東電について、将来像を描く必要がある。


  今回の原発事故により、原発事業は一民間企業が完全に責任を持てる事業ではないことが明らかになった。事故発生直後は、事故収束作業と被害者への補償を、当事者である東電中心に進める必要があった。しかし事故から1年以上経過した今日、将来の原子力事業の在り方を考えると、まず発送電分離とともに、東電から廃炉事業を含め原発部門を切り離すことを検討すべき。他の電力会社も、今回のような原発事故を起こした場合に完全に責任が持てない以上、原発部門の切り離しを検討すべき。


  再稼働問題は、電力会社の経営問題と深くかかわっており、そのことを国民の前に明らかにする必要がある。