男と幽霊少女 4 | Let's easily go!気楽に☆行こう!

Let's easily go!気楽に☆行こう!

映画、写真、B級グルメ、格闘技、そして少しばかり日常を語る雑記帳です。

駐車場

男「じゃあ、まあ取引先のご機嫌伺いに行きますか」

女「そんな軽い気持ちでいいんですか?」

男「まあそんなもんだよ。うちはね」

女「そうですか」

男「ほらほら、乗って」

女「はい」

幽霊少女「お邪魔しまーす」

男「……」

女「どうかしました?」

男「あ、いや、なんでもない」

幽霊少女「後部座席せまいなぁ。男さん、

限界までシートを前にしてください」

ぺしぺし

男(幽霊なんだから必要ねえだろ……!!)

幽霊少女「ほらほらーはやくー」ぺしぺし

女「あの……男さん……・後部座席に、

なにか居る気がしませんか?」

男「え?」

幽霊少女「お♪」

女「いえ、なんとなく、なんですけど」

幽霊少女「いえーい!お姉さん、みえてるー?」

女「……気の所為ですかね?」

男「あ、ああ。そうじゃないかな?」

幽霊少女「ちょっとー、なんで教えてあげないんですかー?」

男「さあ、出発しようか」

女「そうですね」

幽霊少女「おーい!!無視かー?」

男「右よし、左よし。出発」

幽霊少女「なによー!幽霊は寂しくて構ってほしくて

幽霊やってるとこあるのにぃ」

女「……」

幽霊少女「あーあー、寂しくて死んじゃうかもー?」

男(うぜえ)

女「……あの」

男「ん?」

女「男さんって運転上手いですね?」

男「そうかな?」

女「みんな言ってますよ?」

男「そう?それは嬉しいな」

幽霊少女「男さん、鼻の下のびてるー。好きなんですか?」

女「ドライブとかよくするんですか?」

男「まあ、趣味でね」

幽霊少女「いつも助手席はあいてますよー?」

男「……(ピクッ」

女「どうか、しました?」

男「いや、なんでもない」

幽霊少女「ねえねえ、この人に

将来のカーナビになってよって告白してくれません?」

男(塩をもってきとくべきだったな)






取引先の会社 

社員「どうぞ、こちらに」

男「はい」

女「すいません」

社員「いま、担当をお呼びしますので」

男「分かりました」

幽霊少女「ほー……うんうん、なんにも面白くない」

男(ただの面会室なんだから当然だろ)

女「……」

男「緊張してる?」

女「す、すこしだけ」

男「ま、最初はそんなもんだ」

女「すいません」

幽霊少女「やーさーしーいー♪」

男「……」




担当「どうも。暑い中、大変だったでしょう?」

幽霊少女「おほ♪ハゲじゃん♪」

男「いえ、車の中は快適ですし」

女「初めまして。私は―――」

担当「あっはっはっ。そう畏まらなくてもいいよ?」

女「いえ、でも、これは形式上の……」

担当「それもそうか。じゃ、名刺交換しないとね」

幽霊少女「とう!とう!」ぺしぺし

男(やろぉ!?)

女「……はい。ありがとうございます」

担当「じゃあ、座って」

幽霊少女「このハゲを水晶だと思ってくださいね?

―――あなたの運勢をうらないましょ~」

男「……っ」

女「どうか、しました?」

男「い、いや」

担当「じゃあ、定例通りのことなんだけど」

女「はい」

幽霊少女「このハゲは将来、もっとハゲるでしょう~」

男「……ぐ」

男(耐えろ……俺!!)

担当「―――で、まあ、ここが」

女「はい」

幽霊少女「……勇者に光あれ!!」

男「―――ぶっ!」

女「どうしました?」

担当「どうかしたのかい?」

男「ごほん!いや、すいません。ちょっとむせてしまって」

担当「そうか」

幽霊少女「アイアンクロ―!」

男(やめろ!!!)

担当「ま、こんな感じかな?」

幽霊少女「まあ、ハゲ散らかした頭にしてはまあまあね!」

男「―――ふふっ」

女「男さん?」

担当「大丈夫か?」

男「ええ、すいません。今日は少し喉が―――」

幽霊少女「……太陽けーーーん!!!!」

男「―――ぶふっ!!!」

女「男さん!?」

担当「おいおい」

男「す、すいません……ちょっと、お手洗いに……」

担当「あ、ああ」

女「大丈夫ですか?」

幽霊少女「……このハゲはクリリンかぁぁ!?」

男「―――っ!!!」






車内

男「はぁ……」

女「大丈夫ですか?」

男「ごめん。なんか変なところを見せて」

女「いえ、そんなことは」

幽霊少女「男さんってドラゴンボール見てました?

私も好きだったんですよぉ」

男「はぁ……とりあえず昼飯にしよう」

女「あ、はい」

男「いいお蕎麦屋を知ってるんだ。そこに行こう」

女「はい」

幽霊少女「ちょっと、ちょっと。女の子は

海を一望できるレストランに連れて行ってほしいものなんですよぉ?」

男「じゃあ、出発」

幽霊少女「まーた無視ですか。いいですよー。

勝手にラジオ聞いちゃいますからー。えいや」

ラジオ『では、お昼のニュースです』

女「きゃ!?ラジオが勝手に?!」

男「てめえ!!」

女「え、すいません!!私がつけたわけじゃあ……」

男「あ、いや。違うんだ……ごめん」

幽霊少女「うわぁ。サイテー。

ここまで明確な濡れ衣って見たことないですねー」

男「にゃろ……」

女「あ、あの……」

男「あ、なに?」

女「やっぱり、誰かいますよね?」

幽霊少女「おおー??気付いた?

ねえねえ、みえる?やっほー!」

男「そんなことは、ないよ」

幽霊少女「えー!?なんでー!!」

男「さあさあ、変なことを言ってないで、飯にしよう」

女「うーん」

幽霊少女「おっぱいでかいなー。モミモミ」

女「……なんだろう、胸に違和感……?」




蕎麦屋

男「えと、ざるそば」

女「私も」

店員「はーい、ざるそば二つですね?」

幽霊少女「わたしはこの鍋焼きうどんで」

店員「じゃあ、少々おまちください」

幽霊少女「あれー?ねえねえ、

鍋焼きうどんオーダー通ったぁ?」

男「ふう、やっと落ち着けるね」

女「はい」

男「まあ、大体の流れは分かったかな?」

女「でも、まだまだ不安です。

今日は男さんがいてくれたから」

男「そんな。俺は何もしてないよ」

女「いえ、傍にいてくれるだけで……嬉しいですから」

幽霊少女「蕎麦屋だけに?」

男(黙れよ!)

女「……やっぱり、時々男さんは違うところを見てますね?」

男「え?」

女「誰もいないところに時々視線が向いてますよ?」

男「あ、いや……それは……」

幽霊少女「落ちつきがない男って嫌われますよー?」

女「あの、今、私の隣に何かいますか?」

男「え、あと……」

幽霊少女「いますよー?齢15の美少女が」

女「いるんですね?」

男「……」

女「実は今朝から肩が重いんです」

男「え?」

女「ずっと何かがいるような気がしてたんです」

幽霊少女「それ胸が大きい自慢ですか?呪いますよ?」

男「感じるのか?」

女「実は少しだけ霊感があって……

でも、姿は見たことないんです」

幽霊少女「でたぁ!自称霊感あるんです女ー!」







続く

.