ゴミ | みょうてんのブログだべや

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札幌在住の体重90キログラム超、メタボの中のメタボ中年ドラマー「みょうてん」のブログでございます。

最近、家から駅に向かう通勤路で、知恵遅れと思われる男性に出くわす。
年の頃は30歳前後だろうか。
身長は180センチを超えており、また、こう書くのは大変申し訳ないけれども、そういう人特有の顔つきをしており、かなりの威圧感がある。

彼と出くわす時、彼はいつも僕のはるか前を歩いている。
が、彼はしばしば立ち止まっては、どこを見ているのか、ボーッと遠くを見ているので、僕はやがて彼に追いつき追い越してしまう。
そして追い越す時、これまた大変申し訳ないのだけれども、僕は彼の顔を見ないようにしている。



その日も彼が僕の前を歩いていた。

そして、その先に小さくて白いビニールのゴミ袋が落ちているのが見えた。
僕より先に歩いている彼がそのゴミのところを通り過ぎようとした時、彼は何の躊躇もなくそのゴミを拾い、コートのポケットに入れた。

僕は後ろからそれを見て、何の根拠もなく
「ああ、やっぱりか」
と思った。

テレビでよく見るゴミの収集癖のある人と重なったからだ。

「ああやって、家へ持って帰るんだな」

と思っていた。


そこから少し歩くと、ゴミステーションがあった。


彼はそこで立ち止まると、カラス避けのネットを開け、ポケットからさっき拾ったゴミを出し、そっと置いた。
そして、再びきれいにカラス避けのネットを掛けた。

僕は、後ろからその全てを見ていた。

「本当にゴメン」

心の中で謝った。


それにしても、なぜ捨てるつもりのゴミをポケットに入れたのだろう。
もしかすると、彼はそのゴミが汚れるのすらイヤだったのではないだろうか。


ゴミを捨てた後、彼はいつもと同じように立ち止まっては、所在無げに遠くを見ていた。
そして、僕もいつものように彼を追い抜いた。

が、立ち止まっている彼は、いつもより大きく見えた。
そして、その周りの空気はとても暖かかった。



あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。