大事なうちの子の重篤な病気について | ゆるりん坊主のつぶやき―塩田妙玄

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猫は一日中、寝てるんじゃなくて
瞑想しているそう・・・・・
極意を伝授して欲しい・・・・・

FIP(伝染性腹膜)

偏平上皮癌

 

 

どちらも、重篤な病気で発症すると

死亡率が高い病気で知られています。

 

 

特にFIPはまだ全体像がよくわかっていない病気で、

突然発症し、進行も早い。

 

 

偏平上皮癌は顔周辺、特に鼻腔周辺が多いと報告され、

その場合は顔面が崩れてくる。という外見も痛ましい病気です。

 

 

今、この病気で大事な子が苦しんでいる。

どうしたらいいか?と必死に治療を探している方々から

今までにたくさんのメールをいただいています。

 

 

病気に関しては個々にお話を聞いていかないと

安易なお答えができず、またこのようなデリケートな内容のやり取りは

何度も往復するメールが必要となるため、

大変申し訳ありませんが、

朝起きてから深夜までフル回転で動く、今の環境の私には

何百といただく個人的なメールのやり取りをお受けすることができません。

 

 

なのですが、大事な子がそのような重病になってしまった恐怖や衝撃、

絶望、治療の模索、そのお気持ちは、このような病気でたくさんの子を

送った同じママとして、ご心痛が痛いほどわかります。

 

 

カウンセリングの枠も少なく、個々の対応ができませんもので

、施設でそのような子への対応と考えをご紹介させていただきます。

 

これはあくまでも、私個人の私感や施設としての対応ですので、

何か1つのご参考になればと祈りを込めてアップします。

 

 

まず、「FIP」伝染性腹膜。

施設でも「え!?なんでこんな健康でなんの問題もない子が?」という子が

突然「ドライ・ウエットタイプ」とも、発症しています。

一番最近は昨年のクリーム(ウエットタイプ=腹水)ですが、これはHONKOWAの漫画にもなり

ブログ昨年の4月~で時系列に詳細を期していますので、ご一読いただけたらと思います。

 

私が知る限り、「FIP]の診断を受け助かったのは「ドロ」1匹です。

ドロは子猫のときに母猫と兄弟と捨てられ、

保護当時は元気でしたが、その後しばらくして全員がFIPを発症

(タイプは不明ですが、腹水がたまっていなかったのでドライでは?)

ドロ以外は亡くなっています。

 

当時お世話になった獣医師の助言により

「長引かせないで、早く逝けるように」とステロイド始め、前向きな治療などはしていません。

 

なぜ?ドロだけ助かったのかは不明ですが、その後もドロは人生で

何度も何度も危篤になって、現在かなりな高齢です。

 

 

ちなみにクリームのときもそうですが、施設ではFIPと診断されたら、

またちっちやあおいのように、鼻腔内の偏平上皮癌と診断されたら、

「何とか助けようというの時間」の過ごし方でなく、

「なるべくその子の体に負担をかけず逝くための時間」の思考にシフトします。

基本的には「なるべく苦しさを緩和するための少ない量の点滴」くらいしかやりません。

 

鼻腔内偏平上皮癌発症中期のあおい。


 

ただ、偏平上皮癌は部位によっては切除でき生還することが

でき、そのような場合は「生きていくための治療」に全力を尽くします。

 

「木の葉」偏平上皮癌が両耳でできた切除可能タイプ。

2019年4月~からの闘病記があります

ものすごい痛い手術を頑張り

現在は元気に過ごしています。

 

ですが、あおいやちっちは鼻腔内の偏平上皮癌だったため

前向きな治療はせず、

安楽死を視野に入れていました。(2018年6月~ブログ)

といいますのも、鼻腔内の癌は最後は窒息するようになるため

「息ができない!」と首を伸ばし、苦しみだしたら安楽死を選択しています。

「ペットの声が聞こえたら」の1巻に登場する「ちび」も同様です。

 

 

ですが札幌ツキネコの政五郎のように

 

舌やあごなどにできた場合は、自力で比較的穏やかに逝くことも

できるケースもあります。

ですが、これは代表の「末期には何もしない」という英断が功を奏したケースです。

(札幌ツキネコブログ2018年秋~くらいから闘病記事があります)

 

施設ではFIPや鼻腔内の偏平上皮癌と診断されたら

負担をかけない程度の少ない量の点滴にし、その子が好きな場所で好きなように

 今、を穏やかに過ごせるよう、逝くための思考、対応にシフトします。

強制給餌や投薬など、その子が嫌がることは一切しません。

 

 

上記の病気に関して施設では「とにかく生きていて欲しい!」「助けたい!」ではなく、

「その子が嫌がることをせず、今を好きなように過ごせる」よう対応しています。

 

私はその子の幸せは、長さではないと思っています。

その限られた人生の中に、たくさんの好きが詰まっていること。

それがその子の幸せの尺度だと思うのです。

 

 

犬ならば一番は飼い主のそばにいること。

猫ならば自由とおうち。

 

 

施設ではそんなその子たちの「好き」を「命の長さ」より尊重しています。

 

FIP。偏平上皮癌。

どちらもパパやママには衝撃的な病気です。

 

 

獣医師やご家族と相談するのは第一ですが、治らない病気ならば

なんとか生かそう!なんとか助けよう!そこにとらわれると過剰医療に走りがちで

最後は苦しい治療、連日の病院通い、無理やりの強制給餌や投薬、そんなことでその子を亡くし、

「私はうちの子を助けたいと思うあまり、あの子が嫌がることばかりをして

拷問のような毎日を送らせて逝かせてしまった。悔やみきれない」

そのように後悔する方が多いのです。

 

 

治る見込みがないという診断のもとでは

「私がこの子だったら、どうしたいか?」そんな視点からも見てあげてください。

なんとか1日でも生きたいと思うのか?

好きな場所で大好きなパパやママのもと、せめて嫌なことをされないで
過ごしたいのか?

 

死なない命はないのですよ。

 

生に対する クオリティー オブ ライフ があるように

死に対する クオリティー オブ デス 

(上質の死)という考え方もまた重要と私は思っています。

 

以上を

重篤な病気にかんする返信に代えさせていただきます。

個々に対応できなくて、本当に申し訳ありません。

ですが、このブログももう3時間半もかかっているのです。

このような繊細な内容は書くのに時間がとてもかかるため

個々の対応ができないのです。

 

 

うちの子の重篤な病気に苦しむパパやママを応援しています。

どうぞ、力んだ身体から力を抜いてください。

限られた大事な時間を

治療法ばかりをさがすのではなく、どうかその子を見てあげてください。

その子と過ごせる大事な時間をネット検索ばかりに費やさないで。

 

その子と過ごせる大事な貴重な時間なのですよ。