悪霊との戦い・・・その3 | 【 下塚 誠 ~神の選択~ 】

【 下塚 誠 ~神の選択~ 】

俳優、下塚 誠の言葉。

 それは、数ある私の霊体験で最も恐ろしく、おぞましい事件です。私がマッハバロンでデビューした翌年の夏の


事でした。その頃、養成所の後輩で、われら青春の生徒役で人気者だったS君と親しくしていて、殆ど毎日のよう


のようにつるんでいました。住まいが近いので、行き着けの飲み屋で飲むとか、お互いの恋人連れの小旅行とか


、仲の良い兄弟の様な付き合いでした。その日、S君から電話があり、仕事が無かったら泊まりで海に行かない


か、と誘われました。次の仕事のクランクインまで暇があったのと、その仕事でスキューバダイビングのシーン


があって、トレーニングをしようと思い、誘いに乗りました。当時、潜るなら近場の海じゃ水が濁っていて危険


だと聞いていたので、下田ということになりました。話がまとまったのが午後四時で、旅館の予約なしで、とにかく下田へ向かい、


着いたら車で寝ることとしました。私の愛車のサニークーペに食料とビールを積み込んで下田へ向かいました


。午後九時頃、伊豆の山中を抜ける136号線を飛ばしました。長いトンネルに入ったら、助手席のS君が気味が悪いと言う


ので、まわりの様子を見ると、さっきまで付いて来ていた二台の後続車のライトが見えません。途中で停車した


のか、と思っていると、バックミラーにバイクのライトが映りました。私が70キロだしているのに、そのライトは


グングン近付いて来ます。100キロは超えている速度です。間近に迫って来ました。しかし、バイクのエンジン


音が聞こえないのです。右後方から抜いて来て、バックミラーからライトは消えたので、右フェンダーミラー


に目を移すと、それは自転車のライトだったのです。そのライトが私の車に接触したので事故だと思いブレーキ


をかけようとしたのですが、アクセルペダルを踏み込んだまま足が動きません。次の瞬間、白い何かが舞い上が


ハッチバックにへばりつきました。