協力隊のすごさ | アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

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旧『ベナンで活動する舞のもぐもぐブログ』 

2008年6月~2010年6月の2年間、青年海外協力隊として西アフリカのベナンという国で活動しました。

2012年8月から2014年5月まで、アメリカのブランダイス大学院(Brandeis University)で国際開発学を勉強しました。

ベナンに来て1ヶ月も経たない頃、
びっくりしたことがあった。目

それは、「協力隊の活動は正式に評価されない」
ということだった。

先輩隊員の報告会を見ていても、
「うまくいかなかったようだけど、試行錯誤してよくがんばったね」
というコメントだけで済むのである。

いったいどういうことなんだろう!?と
考えずにはいられなかった。

青年海外協力隊を派遣するのに、
派遣前の語学訓練と2年間の生活費などを含めて、
1人あたり約700万円かかっていると聞いたことがある。

ビジネス感覚の抜けなかった私は、
活動で約700万円に見合うだけの成果を上げなければ、
会社で言えば赤字事業になるって思った。

だけど、どう考えたって難しいのである。

協力隊員は基本的に活動資金も無ければ、
用意されているプロジェクトもなく、
人脈も自力で作らないといけない。

活動を形にするだけでも膨大な時間がかかり、
活動の規模も小さいのである。

結局、
国策のための『日本が○人ボランティアを派遣している』という実績、
若者 (協力隊となった人) の教育、
協力隊員が帰国した後に与える日本へのインパクト(情報提供)
など、目に見えにくい日本にとっての長期的な成果を
期待しての事業なのかな、
というのが他の協力隊員と話して出た結論だった。


・・前置きが長くなってしまったけど、
それを踏まえた上で、
協力隊で 「すごい」 と個人的に思うことが1つある。

ビジネスで駐在している人たち、
大使館に勤める人たちやJICAの職員などに比べて、
外国人がいないような田舎に住み、
比較的慎ましい生活をしているのは
協力隊ぐらいなもの。

だからこそ、協力隊員が自分が住んでいる村で
できるだけローカルな食べ物や
ローカルな物にお金を費やせば費やすほど、
日本のお金¥ がアフリカや南米などの小さな村の一般住民に、
一番自然な形で流れるのである。

これは、すごい。

例えば、月々の生活費を 10万フラン (約2万円) とすると、
2年間生活するだけで、240万フラン (約48万円)
協力隊が住んでいる村に落ちることになる。

その中で、生活費の約3分の1~2分の1を
外国人向けの高価な食糧や物ではなく、
ローカルなものに使えば
72万フラン(約14万円)~130万フラン(約24万円)が、
援助の届かないような
一般の住民にお金が渡るのである。

協力隊としての活動よりも
実はこっちの方が影響力があるんじゃないか、
と密かに思ってしまうのである。

もし協力隊でこのブログを読んでいる人がいたら、
できるだけローカルな場所・人からものを買いましょう☆
たとえ活動がうまくいかなくても、
それだけでそこにいる意味は大いにあると思います。