◆発声・発音・腹式 診断 | SFラジオアニメ ラジオドラマ 音声ドラマ

ここでは、すぐできる「発音診断」と、「腹式圧発声・発音」の改善・リハビリテーションをご案内します。

オーディション参加者を700名以上見て来て、一つの現象が目立ちます。


『さ行』の発音が正確に出来ない…


現代人の殆どは、「さ行」「ち」「つ」を歯間に空気を通す摩擦音によって発音しています。


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ではここで、今すぐできる簡単診断です。


是非やってみて下さい。

日本語の発音は、「あ行」=「あ・い・う・え・お」が基本になって「か行」以降の音が作られます。

では「あ段」による単語です。


「あ・お (青)」

二つの音が、口内中央~奥の同じ場所で作られているのが判るでしょうか。

では次です。


「あ・さ (朝)」

もし「さ」という音を、口内前方で作っていたら、それは間違った発音です。

「あ」も「さ」も、「あ・お」同様に同じ場所(口内中央~奥)で音が作られなければなりません。

ではもう一つ。


「い・し (石)」

「い」を歯を噛んで発音していたら、それは致命的な間違いです。

「い」は歯を少し開けて発音するもので、噛んで発音していたら、「い段」の殆どの音は間違った発音になりかねません。

また正しい「い」が【歯を少し開けて発音する】のですから、「し」も同様に発音しなければなりません。

「い」も「し」も、「あ・お」と同じ場所(口内中央~奥)で音が作られるのが正しい発音です。

これらは、「さ行」=「さ・し・す・せ・そ」全てに言える事です。


この正しい発音を実現する為には、腹式の圧による発声、肺活量が求められます。

この大変な音作りから回避するために日本人は、簡単な歯間の摩擦音による疑似音を身に付けたのです。

しかし声でお金を稼ぐ声優が、間違ったままの発音で良い訳がありません。

無理な事を言っているのでもなく、大御所の声優さんたちは普通に出来ている事です。

それに気付かない、気付いても直さないなら、日本人プロ声優である資格はありません。

アニメ映像の製作者として、プロとなるのなら許す事は出来かねます。


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日本語を構成する「50音」には、口内前方(または歯)で発音する音はありません。

発音の基本形「あ行」が、そのように発音しないのが根拠です。

※「い」は歯を噛んで発音するものではありません


語尾「~す。」の無声化は音的に近いですが、間違った「す」の無声化は、声でなく「音」です。

そして、「か行」「が行」「た行」「だ行」「ば行」にも、もうひとつ得るべき発音があります。

よって日本語には、「さ行」「ざ行」含め、50音ではなく85音以上あると指導しています。


これらが出来ないのは、近年の若年層に見られる「身体能力/肺活量の衰退」にも関係があります。


この事実を「プロの録音現場」は把握していますが、それを演者に伝える事はありません。
現場は「教える場所ではない」という、当たり前の考え方です。

そしてそれは、「オファーが来ない」という現実で返っていきます。

※ちなみに最近のカラオケ採点機械では、この発音の正確さも集計しています。


当番組では、一般からもドラマ出演者を募っている実情を踏まえ、その改善を促します。

講習では1分程度で補正し、正しい発音を体感させていますが、身に付けコントロールする為には毎日やらないと達成は出来ません。

生まれてから今日まで、ずっとやって来た発音方法を変えるのです。

そう簡単に入れ換える事は出来ません。

日常会話こそ重要で、番組講習では改善度/誤収得のチェックを行い、進捗具合で個人別の修正方法を伝えています。


また当番組オーディションでは『発音チェック』と共に、審査精度を上げる為、その他に診ている物があります。


●腹式法チェック

●肺活量チェック


これによって身体の作用部分が見れるので、「さ行が言えない」という個々の原因、また演技表現力の幅まで判断できます。


「さ行」が言えない…

この単純に見える症状から、どれほどの原因が想定できるでしょうか。

その原因には、以下の様な物があるのです。


■腹部インナーマッスルとの連動

・足モモの筋肉

・骨盤底筋

■肺活量

・肩への空気吸入

・腹式への空気吸入

・胸部による抑制

■腹式法

・腹部インナーマッスルによる空気吐出し

・空気単発出し

■のど筋肉コントロール

・上あご奥の広がり

・のど筋肉の開放

・のど声の度合い

・口開き/口角による3000Hz到達

■「音」生成=発音

・口内中央部~奥での「音」生成

・歯を使わない「音」生成


難しく書きましたが、これで発音の原因、修正法、演技力の幅も解るのです。

例えば、中には発音チェックで『さ行』が正確に出せないが、セリフでは概ね正しく発音する方がいます。

これは「肺活量の少なさ」と「声圧の低さ」による現象で、張る演技は困難となります。

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人は声を出す楽器です。

気道をしっかり確保しないと、出るべきものも出ないのです。