◆ 礼儀作法とマナー集/2014・01 | SFラジオアニメ ラジオドラマ 音声ドラマ

■表現が「できる」、という事


私 仲河美希は「演技を学んだ」と言う経験がありませんが、幼い頃から朝から晩まで見ていたTVが、その代わりをしたと思っています。

記憶にあるのは3歳の時、それ以降「国内/海外ドラマ・時代劇・映画・歌番組・バラエティ・報道/ドキュメント…」 様々な番組を物凄く見て、アニメーションも見てきました。

今も自ら演じたいと思う事はありませんが、台本を書けば頭の中で映像が広がり、キャラが勝手に動いて喋ります。

だから自分の作品には、演じて欲しい表現方法(映像)が明確にあります。

その反面、演じたいと思った事が無いので、役者の「演じたい」と思う理念は解りませんでした。「どうして嘘を表現したいんだろう…」


そんな時、番組の音響をしているスタッフが、

「〈演技〉とは その人の人生そのもの、生き様である」

と言いました。そう言われて私も共感ができました。

作品で自分の違う生き方を体感したいのか、私はそう理解しました。


現実世界で生活している自分が違う世界のキャラとなって活躍する…

違う世界のキャラと言っても、演じるのはやっぱり「自分」。

その差は、作品の中における人物のキャラ設定だけ。

ではそれをどう具現化するのか?

自分の記憶が空白では何もできない、と言う事です。


この「キャラ設定」については、人間観察と言う手段だったり、過去の体験で演じ方の引き出しを増やすと言う人がいます。

ただ漠然と一日が終わる毎日、記憶に残らない日々では、得られるべき記憶はありません。

普段「どう生きているか?」「どう暮らしているか?」という第三者目線にかかっていると思います。

そう!日記を付けて、日々の出来事に感想を記すというのも良いでしょう。

また演技の場では「良く遊べ」と言う人もいます。

これもやはり経験と言う記憶です。


声優/役者の演技レッスンとは、自分の経験値を元に、それを「人に見せる場合」には「どう動いたらより良いか」、声優なら「どう喋ったらより良いか」の表現方法を学ぶ場だと思います。

どれだけ遊んで、どれだけ動いて、どれだけ感じたか、そしてどれだけ話したか、ではないでしょうか。

人の話を聞くだけでも、それが経験値になる場合があります。

その経験が記憶として【自分の内面】に無ければ、表現する方法を幾ら学んでも【わす】芝居はリアルには見えません。

だから養成所や劇団等の演技レッスンだけでは、上達が難しいと感じるのです。


仲間と遊ぶ。

畑違いの人と話す。

観た事ない場所に行く。

そして感想を持つ。

そんな内面の経験値を増やす事が、最も欠かしてはならない重要な事だと思います。

それがお客様へは「表現できる=届ける礼儀」に繋がっていく事だと信じます。



■街中で関係者に合った時


プライベートで関係者/同僚/先輩にあったら、「目を合わせたくない」「面倒くさいな」と思う事があるでしょうか。

誰しも1回はあると思います。

そして、「気付かなかった事にしちゃえ!」と無視する事になるのでしょう。

しかし相手が業務のスタッフだった場合、先輩だった場合、たいてい相手はあなたに気付いています。

それは、その相手が周囲に注意を払って、誰かに合ったらいつでも挨拶をしようと準備しているからです。

当然自分より目上であれば、即座に挨拶しています。

しかし、相手が業務上/役職上で下だった場合、「挨拶に来るか?」と待っているのです。

意地悪でしているのではありません。

業界とは、礼儀を重んじる所。

芝居とは、相手を気遣う仕事です。

それが出来なければ、集団業務はできません。

それを「するか しないか」、それはあなた自身の選択です。

ですが仲間の誰かは必ずしていて、業務の間隔を縮めています。

同業の誰かは、あなたの「気付かなかった事にしちゃえ!」を待っているのです。



■メールという通信手段


芸能界では、メールという通信手段は主たるものではありません。

「無い」と考えてもらってもいいかもしれません。

それほどに、「確かな物ではない」と考えられているという事です。


そして《芸能界》と言われて違和感がある方、今すぐ改めて下さい。

声優の仕事も《人前に立つ/物を届ける》仕事、間違えなく芸能界の仕事です。

声優も、タレント名鑑に載る人なのです。


その業界では「会って話す事が基本」、「その時間がない場合に電話」、メールは「電話があった上での補佐的手段」です。

「メールが来なかった」「送ったのに届いていない」

メールでの通信不具合は、この業界では一切理由になりません。

「だったら電話すればいいじゃないか」

そう言われて終わりです。

声優になりたいなら、メールを主たる通信手段にしないでください。

せめて電話が出来る人になって下さい。


しかし《番組声優団体》では、メールを主たる通信手段にしています。

メールが当たり前の世代に、突然それをさせないという事は困難です。

それに事務量の削減という、団体管理上の側面もあります。

ここではまず返事を返すという事に重きを置いて、段階を追って伝えています。


それでも最近多いのは、そのメールでのリアクションがない! という事です。

事務所からだけでなくクライアント、目上の人からのメールで、


「メール着信」

 ↓

「読んだ」

 ↓

「納得して画面OFF」


をしていませんか?

メールは回覧板ではありません。

そして、全て「メールマガジン」と同じに見てもいけません。


読んだら「読んだ」というリアクション、了解したなら「わかりました」というリアクションが必ず必要です。

もし返事がない時は仕事もいらないと判断され、一度のミスは未来永劫続きます。

返事も出来ないやつに仕事は任せられない、という事です。

小さい事ですが、仕事はそういう小さな所で繋がるのです。

役者とは仕事を貰う身である以上、年下である以上、来たメールで終わってはいけません。

メールはあなたの返信で終わらせなければならないのです。


あわせて「了解しました」という言葉。

本来同等か目下に言う言葉です。

現代では業務言葉としてありますから、違和感はそれほどないようになってきました。

それでも、言葉で仕事をする者、しゃべる仕事をする者は、私は個人的には使って欲しくないと思っています。

「わかりました」

本来の言葉があるのです。

言葉の使い手であるなら、流行に流された言葉以外も使えて欲しいと思います。



■担当者の名前は正確に!


皆さんのメールを見ていると、《なかがわ》の字が間違っている方がいます。

台本や他の記事/メールに書いてありますから、字が判らなかった…と言う事は理由になりません。

業務の担当者・監督・クライアント・スタッフの名前を間違えると、次の仕事が来なくなる場合が非常に大きくなります。新人の場合は尚更です。

これは、団体内での関係者の名前を間違えているという事を責めているのではありません。


よそでやっていないでしょうね!


メールの何て事ない物で間違える、間違えている事に気が付かないと言う事は非常に危険です。

よそで知らない間に間違えている可能性が十分考えられます。

役者を目指す以前の問題となりかねません。

先方にメール/手紙/電話/FAXを送る場合は十分気を付けて、確認を必ず行って下さい。

メールでは【コピーペースト】を勧めます。



「ご苦労様」と「お疲れ様」の違いは?


どちらもねぎらいの言葉、そして日常のあいさつとしても使われることの多いフレーズですが、似ているからといって、同じように使ってはいけません。それぞれ状況に応じた適切な使い方があります。


◆「ご苦労様」

相手に対するねぎらいの意味を持つ言葉ですが、一般的には目上の者が目下の者に対して言う場合に使います。
よって、部下が上司や先輩に向かって「ご苦労様」と言うのは失礼にあたると、覚えておきましょう。


◆「お疲れ様」

「ご苦労様」とは逆に、こちらは基本、目下の者が目上の者に対して使う言葉。
しかし上司が部下に「お疲れ様」と声を掛ける場合も多く見られますし、もちろんそれ自体が間違っているというわけでもありません。
地位を問わず、誰でも使える日常的なあいさつ、という感じになるでしょうか。


社内の同僚など、位が同じ相手の場合は、どちらを使っても間違いではありません。
しかし「ご苦労様」という言葉には、双方の上下関係を感じさせるというイメージがありますし、「お疲れ様」には、仕事をやり終えた時や出張から戻ってきた時など、業務の区切りに対するねぎらいの意味も含まれますので、普段のあいさつとしては「お疲れ様」を使った方が、無難かつ自然に聞こえるのではないかと思われます。



名刺の受け渡し 

訪問先で、もしくは来客で、初めて顔を合わせる方との最初のコンタクトとなるのが名刺交換。
平たく言えば形式的な紙のやり取りになりますが、お互いのことを改めて確認し合う大切な瞬間になります。
名刺交換はしっかりとした礼儀をもって行いましょう。


◆自分から先に……

名刺交換の際、先方が目上にあたる場合には、まず自分から名刺を差し出し、その後で先方の名刺を受け取ります。
また先方を訪問した際も、訪問した側の人間から先に差し出すようにします。
また、上司と同行の場合の名刺交換は、上司の後に続いて行います。

状況が難しい場合もありますが、「自分から先に名刺を出す」という心構えを普段から持っておくことが大切です。


◆受け渡しのポイント

名刺は右手で軽く持ち、先方の胸より下の位置で手渡すのがマナーです。
先方の名刺の上から差し出すことは失礼にあたりますので、渡す位置には注意が必要です。

受け渡しの際には、「○○と申します」「よろしくお願い申し上げます」「頂戴いたします」といった言葉を必ずつけ加えましょう。
名刺交換は、最初に1度きりの貴重なコミュニケーションですから、無言で行うのは御法度です。


受け取った名刺を、すぐ名刺入れにしまいこんでは『ダメ』です。
せっかく頂いたものを粗末にしないよう、商談中、商談後における名刺の扱いも、先方との今後のお付き合い、そしてビジネスチャンスの幅を広げるためには、丁寧に行いましょう。


◆商談中の名刺の扱い

名刺交換が終わって席についたら、頂いた名刺をテーブルの上に置きましょう。
先方が1人の場合には、自分の名刺入れの上に乗せますが、複数いる場合には、座っている席順に名刺を並べます。
そうすることで、商談中の名前の呼び間違いを防ぐことができます。
(この際、並べた名刺の手前に自分の名刺入れを置くようにします)


受け取った名刺を、きれいなままで保管する必要はありません。
名刺を頂いた日付や、商談の内容、先方の印象など、先方に関する情報を忘れないうちに名刺に書き込んでおけば、今後の商談にも大いに役立ちます。
もちろん、先方の目の前でやってはいけません。移動中や、会社に帰ってからです。


◆名刺の受け渡し

両手で差し出し、両手で受け取ることが最も丁寧な名刺交換ではありますが、双方が同じタイミングで名刺を出した時など、なかなかそうもいかないことのほうが、実際には多いのかもしれません。
その場合は無理に両手にこだわらず、片手であっても姿勢良く、礼儀正しい受け渡しができていれば問題ありません。


◆名刺を同時に出してしまった場合

自分の名刺を先方が受け取られるのを待ってから、先方の名刺を受け取るように心掛けましょう。
また先方が目上にも関わらず自分より先に差し出して来られた場合には、「申し遅れましたが」と一言添えてから自分の名刺を差し出すのがマナーです。


◆同じレベルの人どうしによる名刺交換

差し出し、受け取りが同じタイミングになっても構いません。
この場合は右手で差し出し、左手で受け取るようにします。
遠慮や譲り合いが長くなると、かえって雰囲気を壊すことにもなりかねませんので注意しましょう。


◆名刺を交換した後、立ち話が長くなった時

話している間は、名刺を両手で胸の高さに持っておきます。
話が長くなりそうであれば、いったん名刺入れにしまい、席に着いてから再び取り出して、テーブルの上に置くようにします。


◆名刺を受け取って拝見すると、読み方の解からない苗字が……

この場合「どうお読みするんですか?」と伺うのは失礼にあたると思いがちですが、後々になって先方に確認したり、思い込みで判断してそれが間違っていたり、ということの方が先方に対してはもっと失礼です。
読み方が分からなければ、基本はその場で正しい読みを聞いておきましょう。
先方の名前をはっきりと確認しておくという意味合いにおいては、失礼にあたりません。


◆名刺入れの上に乗せるのは、誰の名刺か

例えば相手が複数人いらっしゃる場合、名刺を受け取ってテーブルに並べる時に相手の中で最も目上、もしくは身分の高い人の名刺を名刺入れの上に乗せ、あとの人の名刺はテーブルの上に並べる、というのが一般のルールだと思われがちなのですが、大切なお客様や取引先の方々は、それぞれの肩書きや身分があっても、本来はどの方も平等な目で見るべきなのです。
よってテーブルの上に並べた名刺の列の手前に、何も上に乗せない状態で自分の名刺入れを置くのがこの場合は正解。
どの名刺も、上下をつけることなく丁寧に扱いましょう。