◆演者としての業務の心得 | SFラジオアニメ ラジオドラマ 音声ドラマ

演者としての業務の心得


この文章は2010年開催時のリハーサルでお伝えした内容を、改めて記載したものです。

記載に当たってはメンバーが少なかった事、欠席者がいた事、何より私が驚いた事例が起きた事によります。

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仲河美希です。
既に一部の方は、業務を行なっている方がいるかと思います。
今まで個別にアドバイスを行なって参りましたが、制作者として、プロデュース業務をしてきた者として皆さんに共通のアドバイスをしたいと思いました。
これは絶対というものではなく、私と音響監督の経験を元にした一例です。
また、事務所所属者向けというよりは、個人活動者およびフリーを考えている方向けとなっています。ご承知おき下さい。


《営業》

一度は何らかの声の仕事をした方も多いと思います。

(私が関わったラジオドラマの収録も含まれます)


色々な声の現場があると思いますが、まず現場の音響監督かディレクターから名刺を貰いましょう。

収録の場では、音響監督の采配が大きいのです。

私の場合、音響監督さんに対しての信頼は大きく、全てを任せて収録業務を行なっています。

最終判断はお任せして、私は要望としてポイントをお伝えしていますが、監督がOKならOKで、NGならNGなのです。


クライアントさんがいたら、合わせて名刺を貰う事を勧めます。
現在は制作費削減で、クライアントが直接現場を仕切る場合が多くなりました。
また現場となるスタジオの方の名刺も重要です。
スタジオが業務を仕切る場合も多くなっているのです。

自分から名刺を差し出せば、対外貰えます。
もし、『どうして?』『何のために?』と聞かれたら、ご挨拶状(季節により年賀状・暑中見舞い)を差し上げたいと言えば、まずもらえるでしょう。
それでも貰えなかったら、諦めましょう。

(St.アルディは別です)

一日の業務が終わったら、帰りながらメールで音響監督/スタジオ/クライアント/Pにお礼を送りましょう。
翌日、ハガキで再度お礼のお手紙を書きましょう。
そして、春.夏.秋.冬の時節のハガキを必ず出しましょう。

メールとハガキの効果の差…

メールは即効性があります。

代わりに時間とともに他のメールに埋もれる、忘れられる宿命を持っています。

ハガキは到着までに時間がかかりますが、ハガキ固体として相手に残せます。

この両者を有効的に使って下さい。


また現場のスタッフは、業務が大きくなればなるほど平均年齢が上ります。

メール世代ではありません。

電話の世代、手紙の世代なのです。

と言う訳で、名刺が必要という事です。

どういう名刺が効果的なのか… 


《日常》
お世話になった音響制作会社や音響監督の業務スケジュールが掴めるなら掴んでおいて、近隣で他業務があった場合は、ついでに「挨拶」に行きましょう。

スタジオも同じです。
この時、差し入れは効果があります。栄養ドリンク・お菓子等、高くなくていいです。

また名刺を必ず添えて下さい。

《アニメ・サウンドドラマ・映像業務》
アフレコが終わって帰る時 「お疲れ様でした」 だけは厳禁です。
特にアニメ/サウンドドラマは、アフレコ後にMix作業があります。
「お疲れ様でした」 だけを言って帰る場合、スタッフの中には 「お前だけな」 と思っている者がいます。

必ず「お疲れ様でした。この後の作業もよろしくお願いします」
と言って出て下さい。
いつかチャンスがあったら、Mix作業を見学するといいでしょう。
アフレコの3倍時間がかかります。
いずれ頑張っている人は、私の周辺業務で見学させてあげたいと思っています。


《挨拶》
一つの仕事は、いろんな人が繋がって自分に来るものです。
目の前の業務担当者だけでなく、そこまで繋がった【全て】の方に報告や連絡を必ずして下さい。

これはメール中心で構いません。近しい人には電話です。
電話をして出なければメールです。

この時の報告は、良い事も悪い事も同様です。悪い報告は尚更早い報告が求められます。


頑張ってるアピールと、場合によって次の仕事が近付く場合があります。

お世話になってる方、関係の方々に報告してますか?

全てはその方がいなかったら始まらなかったものです。

礼を尽くしてください。

みなさん、お世話になった方、先輩に時節のハガキは予定していますか?

住所がわからない、は理由になりません。

住所を調べるくらいはして下さい。

それが次へとつながり、あなたの評判へと繋がります。


《注意》

当団体の講習/オーディションや収録に参加された方々で、個人の活動/収録等を提案・実施して、賛同者を募っている方がいらっしゃいます。

皆さんの活発な個人的活動の促進は喜ばしいところではありますが、そのいくつかは他団体主催によるもので、殆どは事前の連絡がないまま行なっているケースが多い状況です。

そのため何らかの事態が起きた場合には、対処・対策は行なえません。

開催・参加には各個人での責任において行なって頂きますよう、よろしくお願い致します。

また、団体に関わる中では事前の連絡を行うよう、必ずお願いします。



大変な様ですが、これが仕事を得る為に求められる営業(自己アピール)、次の仕事を掴む準備です。
昔は会社がしていた事ですが、今は少なくなりました。
ですが、あと2年すれば所属新人の方が同じ事を皆やると思っています。

考えれば、慣れてしまえば簡単な事ですから。
その前に、1日でも早く現場との強い関係を作ってしまえば良いのです。
判らない事は私に聞いて下さい。

ボイスサンプル? 営業先? 声優業務の発注元? 制作業務の流れ? スタジオ所在地? プロデューサーって? 音響監督ってどこに所属する人? 日俳連? 声事協? マネ協? 見ておくべき作品? 自宅での勉強方法? 音声学? 健康維持? 
今回書いた事は、知るべき事の半分以下です。