私が自炊する理由 | MY LIFE AS A PIG

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山と農業と旅を愛するAkihisaのブログです。
高崎高校→北海道大学農学部→銀行員(札幌・鹿児島・福岡・US)→旅人(日本縦断・世界一周)→大分大学医学部(編入)→明日は何処…
大分朝読書コミュニティBunDoku主宰/NPO法人NICE GWCコーディネーター/財務経営アドバイザー

世界一周が終わって4月から大分ライフを始めて、せっせと節約生活に励んでおります、Akihisaデス。
2013-08-14 家計簿からみる第二の大学生活

実は大分に来てから「外食は月1回まで」を目標にお昼も毎日家に帰って食べて、実際に9割以上の食事を自炊で済ませる徹底ぶりをみせているわたくしですが、かと言って決して料理が好きなわけではないんです(まぁ嫌いでもないけど…)。
ただね、仕事を辞めて月々のキャッシュインが奨学金の約15万円/月に限られている中で、どうしたら2度目の大学生活4年間を真っ当に送れるかを考えた論理的帰結として、「我日々自炊するべし」に至っているのです。

とは言っても、時々そんな私の一見頑ななまでの自炊生活をとても疑問に思われる方がいらっしゃるので、今回はその理由をきっちりと説明させていただきますっ!(キリ



> 私にとって自炊することはバイトすること(お金を稼ぐこと)と同義です

会社の給料であれ仕送りや奨学金であれ、誰もが月に使えるお金は限られているわけで、もしその限られた範囲内のお金だけじゃ「お金が足りないよー」という状況になったら、2通りの解決策が考えられますよね。

・入るお金を増やす(バイトなり副業なりで稼ぐ)
・出るお金を減らす(節約する)


ここで、この2つをキャッシュフローベースで考えると、この2つは結果として全くの同義なんです。
例えば私の場合、

「月15万円の収入(奨学金)に対して毎月14万円も使っていたら、(半期毎に払う授業料分の)お金が全然貯まらないよ!」

というとき、毎月1万円ずつしか貯まらない現状を、毎月3万円ずつ貯まる形にしたいとすると、
月2万円分のアルバイトをして月の収入を15万円→17万円にしても良いし、
月の食費なりを2万円節約して月の支出を14万円→12万円にしても良い。

つまり
(収入)17万円 -(支出)14万円=3万円であれ(バイトして収入を2万円増やしても)、
(収入)15万円 -(支出)12万円=3万円であれ(節約して支出を2万円減らしても)、
どちらも同じ3万円がその月に手元に残ることになるわけですから。

ここで、月2万円を稼ぐのに、例えば時給700円のコンビニバイトだったら、約30時間の労働が必要になります。(バイト先までの移動時間も含めたら拘束時間はもっとかかります)

一方で、毎食外食をしてたら月3万円を確実に越えるであろう食費は(1日1,000円使うだけで月3万円越えますものね…)、毎食自炊にすれば月1万円程度まで抑えられるので、自炊するだけで月2万円の節約になります。
正確には自炊にはガス代・電気代等もかかるのでこんなに単純ではありませんが、毎日外食をしていたらそれはそれで月の食費3万円程度では済まないので、やっぱり諸々勘案すると外食よりも自炊のほうが月2万円以上安く済むことは実感としてあります。

ここで、自炊のための拘束時間を考えると、

・買い物1回20分(作る時に家の近所のスーパーで食材を買う)
・料理1回40分、洗い物まで含めてざっくり計60分
・毎回大量に作ってタッパー保存しているので、料理するのは多く見積もっても週3回

から、

(1回の買い物20分+1回の料理・洗い物60分)×週3回×月4週=960分=16時間

つまり、月16時間の自炊で食費2万円が節約できる(=稼げる)と考えると、私の「自炊の時給は1,250円になる」んです。
あるいは、「コンビニバイト30時間分のバイト代は、自炊16時間で稼げる」とも言い換えられます。

もちろん住んでる土地によってバイト代は違うし、外食を一日1,000円未満に抑えることが可能なケースもあるかもしれないし、あるいは自炊を頑張ってもガス代・電気代まで含めると月2万円の節約が難しいことがあるかもしれません。
それでも、自炊するってことは、

・自分の都合の良い時間に1人で簡単にできる
・時給換算で確実に1,000円/時 以上は稼げる
・もちろん他のバイトとの掛け持ち自由

という、学生にとってはこの上なく都合の良いアルバイトであるはずなんです。
しかも自分で野菜を多めに使ったりという微調整がきくので、外食するよりもずっとヘルシーな食事になり得るという付加価値付きで。

以上から冒頭の、

「私にとって自炊することはバイトすること(お金を稼ぐこと)と同義」

でありまして、テスト前とかイベント前とかで忙しいときはもちろん自炊を諦める日もありますが、これはつまり「テスト前に自分の都合で自由に休めるバイト」とも言い換えられるわけで、自分が自炊できる範囲で、確実に日々自炊して生活していけば良い、ということなのです。
(1回でも自炊したら「よし今日は1,000円以上稼いだ」って思考すれば良いのです)


> でも別に頑なに外食しないわけじゃないんです

「じゃあAkihisaは絶対に月1回以上は外食しないの?」と聞かれたら、必ずしもそこにこだわっているわけではありません。
「外食月1回まで」はわかりやすい目標として設定しているだけであって、人から誘われれば月2回でも3回でもご飯にイキマス。

ただそれは、自分の中で目的が違うのです。
つまり、「食事のための食事は自炊で済ませるべし」がホントのトコロなのです。

人とご飯に行くときは、「食事をとること」そのものは主眼ではなくて、「その誰かと話すために食事という機会を使っている」だけなのです。
あるいは、景色の良いお洒落なカフェに行ってみたいとか、美味しいと評判のオーガニックレストランのランチを食べてみたいとかってゆーのも、そこに「ただの食事以上の付加価値がある」から行きたいのであって、それはそれでOKなのです。

なぜなら、それらは私の家計簿上は「食費」ではなく、「交際費」「余暇費」に当たるのですから。



> もちろんアルバイトを否定するわけじゃありません (むしろ推奨)

自炊を「バイトより効率的で都合の良いお金を稼ぐ手段」と定義してこのエントリーをスタートしましたが、一般の大学生にはもちろんアルバイトをすることをオススメします。
なぜなら、学生にとってのアルバイトは(バイト本人がどう思っているかに関わらず)お金を稼ぐことだけが目的なのではなく、例えば「対人関係スキルを磨ける社会との接点」としての意義等があると思うからです。

高校生でも郵便局の年賀状仕訳配達バイトだとか、あるいは苦学生なら新聞配達バイトとかをしていることもあるかもしれませんが、多くの大学生は、大学時代のアルバイトが初めてのアルバイトの機会であり、最初の社会との接点になると思います。
それは、それまで学校という特殊空間だけで過ごしてきた若者たちが、バイト先の理不尽な上司や先輩、お客さんに揉まれながら、それでも歯を食いしばって何とかうまく立ち回っていく術を思考錯誤しながら身に付けていく場であり、自分たちが使っているモノやお金の流れを身をもって知っていく場であり、言い換えれば社会人になる準備をする場である、それがアルバイトと言ってもいいのではないでしょうか。
(ちょっと言い過ぎか…)

少なくとも、自分が前職の銀行で学生の採用面談をしているときには、学業や部活に加えて必ずアルバイトの体験談を聞くようにしていて、その中でその学生が対人交渉に耐性があるかとか、ルーチンワークにもセルフモチベートして創造的に働けるか等を押し図ろうとしていたのも事実です。

そして特に医学生にとっては、大げさでなく大学時代のアルバイトが人生で唯一の一般社会と接する機会になり得ると思うので、それは多少他の時間を削ってでもやる価値はあるんじゃないかな、と個人的には思っているのです。
(家庭教師や塾講師以外の一般のバイトを、です。いやもちろんそれらも経験する価値のあるかけがえのない仕事ですが)



> すべては目的ありき

「じゃあAkihisaはバイトしないの?」と聞かれると、お金のためだけならバイト以外の手段で何とかしようと思っています(そのひとつが自炊)。
なぜなら、私の場合は北大4年間で教育系から飲食店、工場労働系までけっこうな種類のバイトを経験してきたうえに銀行員5年間もあるので、今から学生のアルバイトを改めて経験する優先順位は相対的に低くなっているからです。だから今の自分にとっては、一通り経験してきたアルバイトよりは、いくらでも深める価値のある学業や、ソーシャルな活動にもっと時間を割く方が総合的に見て自分のためになるかなと思っています。

一方で、「これは面白そう!経験してみたい!」と思う仕事があれば、それは自炊よりも時給が安かろうともやると思います。

つまり、すべては目的ありきなんです。
私にとって自炊は面倒な日常作業ではなく、効率的で都合の良い「稼ぐ手段」なんです。
アルバイトの目的は、(バイトなしにはお金が回らない場合を除いて)お金よりも経験なんです。
そして学業は、もちろん医師になる以上は「知識がない=罪」と自分を戒めているから最大限勉強しようと思ってるし(主目的)、そこにおまけで授業料免除というプラスαがつくことも有り得るわけです。
(そのときそこには「勉強するとお金が浮く」(≒お金が稼げる)という奇跡の循環が生まれますw)



> 立場や状況が変われば優先順位も変わる

振り返ると、私は銀行で働いている時はほぼ自炊をしていませんでした。
それは、当時は自炊をしなければならないほどにはお金には困っていなかったし、また仕事に拘束される時間が今よりも圧倒的に長かったから、僅かのプライベート時間はたかだか時給1,000円ちょいの自炊よりも、読書なり活動なりのプライベートなことに費やすほうが圧倒的に優先順位が高かった、ということに他なりません。

つまり立場や状況が変われば優先順位も変わるわけで、お金にそこそこの余裕があって、一方でプライベート時間が今よりも短かった銀行員当時の自分にとって、

「僅かなプライベート時間は時給換算で1,250円をはるかに上回る価値があった」

と言い換えることができるわけです。


以上、総括して言ってしまえばこれは、食事であれなんであれ「日常の些細なひとつひとつにも自分の意志と目的をもって生きていこう」という、半分振り返りの内省エントリーなのでありました。