●●＝井戸端会議（ＶＯＬ.26）＝●●
先日、【再会】を果たしました。
胸が張り裂けそうだ・・・と言う感情はこう言う事なのだと
思いました。
私が仕事に就く前に会ったので、おおよそ3年ぶりになります。
その再会相手は、【父】です。
きっかけは、弟の結婚式が今年の11月にあるので、父に伝え
たいと思い連絡した事がきっかけでした。我が家は私が20歳
の時に、父と母が、離婚をしています。愛が無くなった訳で
はない、事情があっての離別です。大きな揉め事は本当に沢
山ありましたが、きっかけは泡がはじけてなくなる様な、ア
ッと言う間な出来事でした。
それからは、私が結婚をする迄は、母と暮らしてきました。
父とは連絡を取り、年に数回会ったりはしていましたが、私
の結婚式に出席して以降、年に1度になり、段々連絡をしても
電話に出てくれなくなりました。会える状態にないのだと、
感じていました。
弟の事があるので、留守電にメッセージを残し、父からの連絡
を待ちました・・・数秒後、すぐに連絡がありました。
とても驚いており、嬉しそうでした。12月頃に、弟の披露宴を
日本でするので、その時に出席して欲しい旨を伝え、キッカケ
として、会いに来て欲しい旨を伝え、電話を切りました。
それが実現しました。内緒で弟と、母も呼びました。
それぞれ複雑な思いもありましたが、会えた事は嬉しかった様
でした。父は、この3年の間に本当に老け込んでおり、身なり
に気を使う事を日課としていた父の面影が全くなく、歯が無く
なり、少し破れたズボンを履いており、なんとも言えない気持
ちになりました。
弟が、「歯を治して、俺の嫁と逢ってな！
」と冗談まじりに
言っていたのが、言葉の凶器の様に思い、すごく嫌な気分にな
りました。どんな父でも、変わらなく愛しているし、一緒に居
る事を恥ずかしいと私は思わない。むしろ、見て見ぬ振りしか
出来ない現状の自分が悔しいし、情けないのだと、父に伝えた
かったけれども、言えませんでした。
父が帰った後、沢山の事を考えましたが、答えなんてなくて、
時間が過ぎただけでした。次の日に父からショートメールがき
ました。
「昨日サンキュー。みんなに逢えてよかった。●●（私の娘）
にも逢えて嬉しかった。月に一回位行きますのでよろしく。」
【逢う】と、遣うところが、父らしいな・・・と思いました。
次に会う約束を出来た事が嬉しかったです。
父は昔から、遊び好きで、ほとんど家に帰らず、幼い私は「パパ、
また来てねー」と言っていたそうです。
一緒に過ごす時間は少なかったけれども、沢山の愛情を与えても
らい、沢山の事を経験させてもらいました。
一緒に居る時間は短いけれども、絆は深いと私は感じています。
昔から沢山の手紙を父からもらいました。筆を執る事に対してと
てもマメでした。父が、会社の人に手紙を書いているときに、質
問をした事があります。
【戴く】と言う字を読めなくて、尋ねたのですが、「【いただく
＝頂く】と同じ意味やねんけど、より丁寧で、尊敬を表したい時
とかに遣うとイイねんで。」と、教えて貰い、漢字ひとつでも、
気持ちを込める事が出来るんや！と驚き、それからは、【戴く】
を常用する様になりました。
父が【逢う】と遣うと言う事は、やっとの思いで、巡り巡って【
あえた】のだと言う事で、沢山の事があって、沢山の思いがあっ
ての事だったのだと、直感しました。私も同じ思いでした。
弟の発言に憤慨した私ですが、私と同じ思いを共有してくれるの
は、この世の中で、弟だけです。弟も私と同じ思いだったのだと
思います。
偶然にも、何故かこの時期に、私も弟も好んで【井上陽水】を聞
いています。
弟の店に行った時にエンドレスで流していて、
その偶然を知りました。代弁してくれている様な、良き理解者な
様な気分に今はなれるのです。
私の家に来た時に、すぐにＣＤを手に取り、このＣＤ貸して！と、
何枚か持って帰りました。きっと弟も【人生が二度あれば】を聞
いて、同じ気持ちを持つと思います。