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母の病状記録

母の病状を記録したブログです。少ない選択肢の中で今の選択で本当によかったのか?ここに来て思い悩む日々。記録することで心の整理をしたい...そんな思いで記述しています。

母はこのロピオン静注50mgを、ビーフリードの点滴を行っている間に投与しています。1日1本、ほぼ毎日です。鎮痛剤だそうです。(詳細は下記) 


膵臓癌が胃袋を後ろから押しているため、お腹の張りがひどく、時には激痛を伴います。他に麻薬系鎮痛剤としてデュロテップパッチ2.1mgと4.2mgの2枚使用していますが、それでも治まりきらないとの判断でしょう?こちらのロピオン静注も使用しています。


それでも時々痛みを伴う場合は、座薬をお尻から1つ入れてもらっています。二重にも三重にも鎮痛剤を投与している状態です。もはや薬漬けの体です。母は日々苦痛に耐えて過ごしています。



---[医療系HPから引用]-------------------------------------------


【特徴概略】
●鎮痛効果の発現が速やかで、持続的な作用をもつ唯一の静注用非ステロイド性鎮痛剤。(ヒト、マウス、ラット)
●プロスタグランジンの生合成を強力に阻害するフルルビプロフェンのプロドラッグ。
●癌性疼痛(とうつう)および術後疼痛に対して、優れた鎮痛効果を発揮する。


【開発経緯】
酸性の非ステロイド性鎮痛・抗炎症剤はプロスタグランジン生合成阻害作用に基づく鎮痛・抗炎症作用を示す反面,副作用として消化管障害などが知られているため、新たな鎮痛剤の研究を行った結果,現在経口剤および経皮吸収型貼付剤として使用されているフルルビプロフェンをアキセチル化し,脂肪微粒子に封入したリポ化製剤とすることにより,静注用注射剤の開発に成功した。


【効能・効果】
次の疾患並びに状態における鎮痛 ⇒ 術後、各種癌


【用法・用量】
通常、成人にはフルルビプロフェン アキセチルとして1回50mgをできるだけゆっくり静脈内注射する。その後、必要に応じて反復投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、本剤の使用は経口投与が不可能な場合又は効果が不十分な場合とする。


【『静注』の意味】
静注とは点滴静脈注射(てんてきじょうみゃくちゅうしゃ、intravenous drip, DIV, IVD)の略語で、ボトルやバッグに入れて吊した薬剤を、静脈内に留置した注射針から少量ずつ(一滴ずつ)投与する方法で、経静脈投与(静脈注射、静注と略すことがある)の一種である。単に点滴とも称される。また、そのための医療機器である点滴装置も「点滴」と呼ばれることがある。輸液も参照のこと。(Wikipediaより)


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母の病状記録-ハルンバッグ2500ml


母が使用しているハルン・バッグ2500mlです↑


通常、採尿器具として販売されているようです。


この袋にカテーテル(管)を取り付けて使用します。母の場合、そのカテーテルの先端を鼻へ挿入し、胃袋まで通します。


鼻の入り口には、カテーテルが抜け落ちないように、医療用のテープを貼付し固定しています。そのため、いつも鼻がモゾモゾしているようです。


過去に一度、カテーテルがやや引っ張られて胃袋に届いていないことがあり、水分を吸い上げることができず嘔吐したことがありました。その際、胃袋に入っているはずのカテーテルの先端が、口から出てきて大変驚きました。やはり取り扱いには看護士さんが必要です。そのため、もう帰宅できないという現実を受け止めるしかありません。

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癌患者にとっての悪液質とは、癌細胞が自ら増殖するのに必要な栄養素を奪い取るため、正常な細胞へは栄養素がいかず、必要なカロリーが摂取できずに痩せ細ってしまい、癌細胞の増殖にともなう各種臓器への破壊や圧迫、トキソホルモンという毒素の遊離等により癌患者を死に至らしめる状態のことを癌性悪液質と言われます。

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母の場合、
4度目の入院の時、すでに微量の吐血と便にも血が混じっていたことを見ても、癌の増殖を止めきれず、腸壁へ穴を開けて、そこから出血しているのが想像つきます。入院当初、十二指腸の軌道もかろうじて開いていたので、便からも出血が確認されました。腹痛がひどく、熱が37度強ありました。明らかに癌細胞が腸壁を破壊し、その穴から細菌が侵入し、穴付近の体内側に膿が溜まり、熱を発していたよう思われます。


処置として、まず細菌をやっつけるべく点滴で抗生物質を投与しました。腹痛を抑える鎮痛剤。そして体が衰弱しているため、栄養も点滴で補給しました。その状態が数日続いたころ、CT検査によって十二指腸の閉塞が確認されました。つまり胃から腸への軌道が閉じたことを意味します。膵臓癌の増殖にともなって少しずつ大きくなっていたようです。完全に閉じるぐらい大きくなっています。そのため急遽鼻から胃袋へ管が通されました。ハルン・バッグ2500mlという器具です。管の先端は胃袋へ、そして末端には透明な袋が付いていて、その袋に胃の中の物が溜まるようになっています。


そして、癌の増殖が認められたので、そこから悪液質に対しての処置がとられました。つまり栄養を今までの半分にカットされます。栄養を口から摂取できない彼女にとって、点滴を半分に減らされるのは致命的です。日を追うごとに痩せてきています。今では足腰が弱くなり、介助なしでは立ち上がれなくなりました。


増殖を抑えるために栄養素を減らし、細菌をやっつけるために抗生物質を投与し、延命のための処置だとは思いますが、本人も私たち家族もどうすることもできません。もちろん安楽死など法律的に認められていませんし・・・ つくづく人の最後のあり方を考えさせられます。