市民の要請で小出さん講演会 24日 臨湖で原発批判半世紀の研究者
長浜市の市民グループが、二十四日午後一時から長浜市港町の臨湖多目的ホールで原子力発電をテーマにした講演会「原発のうそ・ほんと」を開く。日本の原発推進政策をほぼ半世紀にわたって批判し続ける、京都大学原子炉実験所の元助教、小出裕章さん(67)と、防災の観点から原発問題などに取り組むフリーライターの守田敏也さんが講演する。
講演会を企画したのは、長浜市千草町の会社員、村山さおりさんらで作る「原発のうそ・ほんと実行委員会」。村山さんは、原発問題を取り上げる報道や言論が専門的で、安全、危険の認識が専門家の間でも大きな隔たりがあることなどに疑問を抱き、「幾万年もの管理が必要とされる放射性廃棄物を子や孫の世代に託して良いのか」という問題意識から、昨年一月、原発の即時廃絶を唱える国内論客の一人、小出・元助教に、質問を投げかける手紙を送り、併せて長浜市で講演を要請していた。小出さんからは講演スケジュールが半年先まで過密なことなどを理由に、明確な回答ができない旨のメールが寄せられ、村山さんは講演会開催をあきらめていたが、今年三月、小出さんから「豊郷町で講演することになったので、その近日なら長浜市に寄れる」旨メールがあり、要請からほぼ一年ぶりで講演会が実現した。
小出さんは東京都出身、東北大学工学部原子核工学科卒の原子力工学研究者。昨年三月まで、京都大学の原子炉実験所助教、大学院工学研究科都市環境工学専攻助教を務めていた。放射性物質の環境動態解析などが主な研究分野。学生時代に女川原発の住民反対運動などに接し、「原発は電力消費地の都市近郊ではなく、遠隔の過疎地に建てる」政府、電力会社の姿勢から、原発の危険性と、原発施設の「多重防護」論の虚偽、体内に放射性物質を取り込んで起きる「内部被曝」の影響問題を、科学者の立場で追及し続けてきた一人。福島第一原発の事故直後、TVなどで、原子力工学専門の大学教授らが「メルトダウンはしていない」「放射性物質の外部漏出はない」などと解説していた当時、いち早く、放射性物質が大量に放出されていることを告げ、NHKなどのTV局のほとんどが無視したものの、ラジオの地方局放送やネット番組などで紹介され、原発事故を最も早く正確に把握した専門家として注目を集めた。
原発事故後も各地の住民団体などの要請で講演活動を続け、日本の原発政策の矛盾、愚かさを突く論理的、明快な主張が共感を集めていた。電気を大量消費する近代的な生活スタイルを自ら拒否するなど、誠実でストイックな人柄から、カリスマ的な人気を集める一方、日米の政治をストレートに批判し、北朝鮮の核武装やミサイル発射を批判しつつも、「核大国米国が『悪の枢軸』として同盟国とともに制裁措置を発動することなど許されない」などと発言するなど、ラジカルな姿勢から、人格攻撃の標的にされ、特に「ネット右翼」などと称される匿名のネット利用者からの揶揄、中傷が止まない。
守田さんは、防災、被曝防護の視点で、原発廃絶を訴えるフリーのジャーナリスト。物理学者で琉球大学名誉教授の矢ヶ﨑(やがさき)克馬さんとの共著「内部被曝」などがある。ブログ「明日に向けて」で、徹底した原発政策批判などを展開しているため、同氏も同様に多くの市民から注目される一方、匿名の非難、中傷にさらされている。
福島第一原発事故以後、原発廃止の世論が高まる一方、政府や電力会社、一部の大手新聞社などマスメディアで原発推進論が台頭。一部政党が公然と「原発設置促進」を公約に掲げたり、「原発を止めれば電気料金が二倍になる」「反原発を唱えるのは北朝鮮の手先」などの流言が飛び交うなど混乱が深まっている。
村山さんらは、原発の是非をめぐる議論が市民レベルから遠のくなか、もう一度、議論と知識を深めようと講演会を自主企画した。入場料は基本無料だが、参加者が任意に額を決めて支払う「ドネーションシステム」で寄付を募る。講演中、幼児をフロアマットで遊ばせておけるコーナーを設ける。
講演会を企画したのは、長浜市千草町の会社員、村山さおりさんらで作る「原発のうそ・ほんと実行委員会」。村山さんは、原発問題を取り上げる報道や言論が専門的で、安全、危険の認識が専門家の間でも大きな隔たりがあることなどに疑問を抱き、「幾万年もの管理が必要とされる放射性廃棄物を子や孫の世代に託して良いのか」という問題意識から、昨年一月、原発の即時廃絶を唱える国内論客の一人、小出・元助教に、質問を投げかける手紙を送り、併せて長浜市で講演を要請していた。小出さんからは講演スケジュールが半年先まで過密なことなどを理由に、明確な回答ができない旨のメールが寄せられ、村山さんは講演会開催をあきらめていたが、今年三月、小出さんから「豊郷町で講演することになったので、その近日なら長浜市に寄れる」旨メールがあり、要請からほぼ一年ぶりで講演会が実現した。
小出さんは東京都出身、東北大学工学部原子核工学科卒の原子力工学研究者。昨年三月まで、京都大学の原子炉実験所助教、大学院工学研究科都市環境工学専攻助教を務めていた。放射性物質の環境動態解析などが主な研究分野。学生時代に女川原発の住民反対運動などに接し、「原発は電力消費地の都市近郊ではなく、遠隔の過疎地に建てる」政府、電力会社の姿勢から、原発の危険性と、原発施設の「多重防護」論の虚偽、体内に放射性物質を取り込んで起きる「内部被曝」の影響問題を、科学者の立場で追及し続けてきた一人。福島第一原発の事故直後、TVなどで、原子力工学専門の大学教授らが「メルトダウンはしていない」「放射性物質の外部漏出はない」などと解説していた当時、いち早く、放射性物質が大量に放出されていることを告げ、NHKなどのTV局のほとんどが無視したものの、ラジオの地方局放送やネット番組などで紹介され、原発事故を最も早く正確に把握した専門家として注目を集めた。
原発事故後も各地の住民団体などの要請で講演活動を続け、日本の原発政策の矛盾、愚かさを突く論理的、明快な主張が共感を集めていた。電気を大量消費する近代的な生活スタイルを自ら拒否するなど、誠実でストイックな人柄から、カリスマ的な人気を集める一方、日米の政治をストレートに批判し、北朝鮮の核武装やミサイル発射を批判しつつも、「核大国米国が『悪の枢軸』として同盟国とともに制裁措置を発動することなど許されない」などと発言するなど、ラジカルな姿勢から、人格攻撃の標的にされ、特に「ネット右翼」などと称される匿名のネット利用者からの揶揄、中傷が止まない。
守田さんは、防災、被曝防護の視点で、原発廃絶を訴えるフリーのジャーナリスト。物理学者で琉球大学名誉教授の矢ヶ﨑(やがさき)克馬さんとの共著「内部被曝」などがある。ブログ「明日に向けて」で、徹底した原発政策批判などを展開しているため、同氏も同様に多くの市民から注目される一方、匿名の非難、中傷にさらされている。
福島第一原発事故以後、原発廃止の世論が高まる一方、政府や電力会社、一部の大手新聞社などマスメディアで原発推進論が台頭。一部政党が公然と「原発設置促進」を公約に掲げたり、「原発を止めれば電気料金が二倍になる」「反原発を唱えるのは北朝鮮の手先」などの流言が飛び交うなど混乱が深まっている。
村山さんらは、原発の是非をめぐる議論が市民レベルから遠のくなか、もう一度、議論と知識を深めようと講演会を自主企画した。入場料は基本無料だが、参加者が任意に額を決めて支払う「ドネーションシステム」で寄付を募る。講演中、幼児をフロアマットで遊ばせておけるコーナーを設ける。