湖北の事件・事故簿 | 近江毎夕新聞

湖北の事件・事故簿

踏切内でトラックと衝突 運転手 首の骨など折り、特急脱線
 二日午前十時半ごろ、長浜市木之本町千田のJR北陸線の田部踏切内で、金沢発米原行きの特急「しらさぎ56号」=五両編成=と、二㌧トラックが衝突し、トラックは大破して飛ばされ、トラック運転手男性(57)は首と胸の骨折、くも膜下出血などの重傷を負った。特急電車は先頭車両が脱線し約四百㍍走行して止まった。乗客約百八十人にけがはなかったが、一部の乗客が体調不良を訴え病院に運ばれた。
 木之本署とJR西日本などによると、特急は時速百二十㌔で走行中で、運転士は踏切の約五十㍍手前で、電車の進行方向右側(西側)から踏切内にトラックが進入してくるのを見つけ、非常ブレーキをかけたが、間に合わず衝突したという。トラックは南東方向に約三十㍍飛ばされ、線路わきの水田に転落、ちぎれたトラック荷台は踏切から約百㍍南の線路上にあり、飛ばされたか、電車に引きずられたとみられる。
 トラック運転手は、近くで農作業をしていた男性に大破した車内から助け出され、わきを支えられて踏切わきの自動車修理会社まで歩き、助けを求めたという。その際、同運転手は警報機、遮断機とも作動していなかったと話したという。
 JR西日本では、踏切、警報機とも正常に作動していたとし、国交省運輸安全委員会の調査官も「遮断機は正常に下りていた」としている。近所の住民の一人は「遮断機が列車通過後いつまでも上がらず困った経験があるが、列車が来るのに遮断機が下りなかったというのは、私の経験ではない」と話している。
 この事故でJR西日本では北陸線の近江塩津―長浜間で二日の終電まですべて運休し、三日の始発から運行を再開した。JR西日本によると、部分運休を含めて上下約二十九本、計五十八本が運休。乗客約六千人に影響したという。脱線した特急の乗客は車内で一時間余り待たされたのち、JRが手配したバス五台で米原駅まで移動した。
〔写真〕大破して水田に転落したトラック。後方に脱線した特急、ちぎれたトラックの荷台

受電施設で市職員感電 米原庁舎などで1時間半停電
 三日午後二時ごろ、米原市下多良の米原市役所米原庁舎に隣接する高圧受電施設内で作業をしていた同市の施設管理担当の男性職員(50)が、右肩を電気ケーブルとコンデンサーの接続部分に接触させて感電し、その弾みで、市庁舎と、隣接する米原げんきステーション、米原公民館の全電源が落ち、午後三時半まで約一時間半停電した。感電でショートしたらしい。
 男性職員は衝撃でうずくまり、施設内から自力で出た。衣服が燃えたものの、外傷はなく、意識もあったという。救急車で長浜赤十字病院に運ばれ、CT検査などを受けたが、当日は異常は見当たらなかった。同院では、電気が体内を流れていた場合、心臓に影響する可能性があるとみて四日間の経過観察入院措置とした。
 男性職員は高圧受電施設内に保管されていたPCB(ポリ塩化ビフェニール)入りの蛍光灯安定器十一台を、庁舎の空き室に移動させるため、一人で施設内に入り、安定器の運び出し作業を行っていたという。施設の外で男性職員一人が作業を手伝っていた。
 施設内では蛍光灯安定器とともに、保管が義務付けられているPCB入り高圧コンデンサーが置かれおり、県から保管場所を変更し安定的に管理するよう指導されていた。感電した職員は電気関係の資格はない。受電施設は扉に「危険」マークが記され施錠されていたが、職員なら誰でも入ることが可能な状態だった。同施設の機器の最大電圧は六千六百ボルト。
 市は感電事故直後に救急車を要請し、受電施設を管理する関西電気保安協会に通報。消防本部から連絡を受けた米原署も現場調査に入った。電気保安協会の派遣作業員が午後三時二十七分に電源を復旧させたが、市役所に転入手続きと住民票発行を求めた市民二人の事務作業が中断、遅延し、うち一人の住民票発行は郵送で対処した。げんきステーションでは四人がビデオを見ながら健康体操をしていたが、停電が長引いたため途中で中止した。公民館では四室を計約四十人が利用していたが、利用に問題はなかったという。エアコンが切れたため、公民館側が清涼飲料を提供。この日の空調利用料を免除した。
 本庁の電算設備はサーバーからすべてダウンした。停電時のバックアップ機能を持たず、作動していたのは県と結んだ防災無線系だけだったという。

電車内でわいせつ行為
 米原署は四日、強制わいせつの現行犯で、愛知県豊田市小坂本町の派遣工員男性(42)を逮捕した。同工員はこの日午後三時十七分ごろから同四十四分ごろまでの間、JR東海道線の下り電車内で、姫路市の女性(24)の胸などを触っていた。米原駅で下車した工員の腕を被害女性がつかみ、駅員に引き渡したという。

落とし物財布盗む
 県警機動捜査隊と米原署は五日、窃盗の容疑で米原市河南の会社員男性(23)を逮捕した。会社員は四日午後七時ごろ、米原市内のコンビニ店駐車場で、長浜市の男性(22)が落としていた現金約十万円などが入った財布を盗んだ疑い。
 被害男性は財布を落としたのにすぐ気付き、駐車場で財布を持つ男性を発見。容疑者男性は求めに応じて財布を返したものの、現金十万円が抜き取られていた。駆けつけた米原署員が職務質問したところ犯行を自供した。