線路上の人は幻覚? 長沢踏切で新快速が緊急停止 | 近江毎夕新聞

線路上の人は幻覚? 長沢踏切で新快速が緊急停止

 十七日午後四時二十七分ごろ、長浜市曽根町のJR北陸線の長沢踏切付近で、下り新快速電車(近江塩津発、播州赤穂行き、四両編成、乗客約八十人)の男性運転士(27)が、線路内に中年男性の人影を認め急ブレーキをかけたものの、約四百㍍走行し、先頭車両が長沢踏切に差し掛かったところで停止した。
 運転士は衝突を確認していたことから、長浜署、湖北地域消防本部の救急車などが現場に駆けつけ、男性を捜索したもののみつからず、長浜署、湖北地域消防本部とJR西日本の職員が十九日まで三日間、延べ九十人余りを動員して線路とその周辺一帯を捜索したものの、遺留品や損壊した遺体の一部などは何一つ発見されなかった。また車両の損傷、痕跡もなかった。
 このため運転士の誤認の可能性が浮上しているが、JR西日本では「衝突を証言しており、運転士の体調などになんらかの異常があったとは聞いていない」としている。
 これまで、線路上の人や動物が急ブレーキを掛けた列車に気付くなどして逃げ出したケースはあるが、運転士が衝突を確認したにもかかわらず、痕跡などがまったくないケースは、JR西日本の運行史上でも極めてめずらしい。列車の緊急停止で北陸線の上下各二本が運休。一時間三十四分を最長に上下計八本(上り五本、下り三本)に遅れが出た。JR西日本では約千人の乗客に影響したとみている。