原人滞在中の11日に写人も連れて近くの野山へ出かけた。
協生農法に植物の活用データベースは必要で、昆虫は虫人、植物は写人が担当している。
山菜がりを兼ねた植物の講習だが、写人はどうしてもタラの芽を採ってみたいらしい。
原人の目的はシャシャンボ他数種の挿し木だ。
アケビのジャングルは付近にいくらでもあるが、この場所は大群生地でちょうど満開時期だ。
他にヤマザクラ、コバノモミジイチゴなど春爛漫・・
イタドリ、タラ、ツリガネニンジン、リョウブの他、雑木林の木の新芽も試食用に数種採取した。
毒でなければ問題なく、味は食ってみないとわからない。
葉が完全に開いていないこの時期は判別が難しいものが多く、木肌で見分けるしかない。
「野人さん・・この木は?」
「アカメガシワかな・・こっちはコナラ」
「この木は・・?」
「ハゼの木かな・・かぶれるぞ」
「この新芽は?」
「う~ん・・アカメガシワかな」
原人はさっそく新芽を採り始めた。
アカメガシワとハゼの木肌は良く似ているが芽は違う。
ハゼは細長く伸び、アカメガシワは丸く赤い。
「あ・・原人 そりゃあハゼだ」
原人は既に採取を終え、天ぷらで食うと言う。
見上げた心がけではないか、誰もやらないチャレンジスピリッツだな。
かぶれて・・タラコ唇になって・・
想像しただけでもわくわくするな。
昨年は鳥羽でも沖縄でもクラゲに刺されまくり、毒物は慣れたものだ。
アイやオコゼの毒針も寸前で回避、マムシも危うくすり抜けた。
実に・・・惜しかった、何事も体験が大切なのだ。
今回の根性を褒めてあげようと、振り向くと・・
原人は春の小川で手を・・・手いねいに
・・洗っていた
帰ってから山菜も新芽もすべて利用したが・・・
ハゼの新芽は可哀そうにそのままだった
ハゼの木は残った・・