むーマリーナ
合宿3日目も穏やかな天気で海へ出ることにした。
ところがいくらやっても船のエンジンがかからない。
オフシーズンに船を出すことはないから調子が良くない。
始動を繰り返してとうとうバッテリーが上がり断念した。
ペナンから来た8歳のディオニは海に出て操船することを楽しみにしていたが仕方ない。
桟橋に停船したままブリッジや天井に登って走り回っていた。
冬の海は澄みきり底まで良く見える。
船を揚げ降ろしするレールから浜まで天然の牡蠣がビッシリ付いていたが、さっそく原人とディオニが拾い始めた。
面倒なので石に付着した塊ごと足で蹴飛ばして採取、昼食のおかずにした。
洗わず塊ごと鍋に入れて火をかけると熱せられた牡蠣から水分が出て、15分で丁度良い加減に蒸し上がる。
これを原人とヒトミダンスはひたすらむさぼり食っていた。
でかいかたまりのあちらこちらで殻が開きアサリのような身がちらほら。
小粒だが味は良く、何よりタダで食べ放題と言うのが素晴らしいではないか。
ランチメニューはビーフシチューにムーカレーに塩ブリ茶漬け。
この日も植物の先生が来て一緒にランチ、抹茶も茶菓子も持参した。
無農薬無肥料のハッサクの皮のチョコレートピールは抜群に旨かった。
先に帰る風人と、原人妻、ジュニアを駅に送った後は田園へ出かけた。
ここには野人が借りようとしている放置梅園と、先生がやろうとしている農園候補地がある。
知人の遊び小屋の囲炉裏で焼き芋や干し芋を食いながら暗くなるまで過ごしたが、ディオニが小さなゴキブリを捕獲、野人の家に持ち帰ると言う。
「わかった、何匹でもかまわん」と言うと、今度はカマキリの卵数個をもらい、それも持ち帰ると・・・
「わかった、カマキリごとき何千匹増えてもかまわん・・ことはない」
お土産にハッサクやらみかんやら自家製キムチをどっさりいただき原人はご機嫌だ。
夕食の材料を買い込み、野人宅で、原人とヒトミダンスとディオニを交えて12時近くまでミーティングは続いた。
続く・・