夏のスズキの頭骨汁 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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脂の量は冬の倍以上
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白い骨しか残らない
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スズキはその成長と共に名を変える「出世魚」だ。

幼魚をセイゴ、中型をフッコ、大型になるとスズキになる。

冬の間、このスズキを使って生ハムを製造しているが、今年は思うように作れず希望読者には申しわけなく思っている。

春になり気温が上がれば生ハム製造が出来ない。

この10年間でレストランにスズキの生ハムがない夏は初めてだった。

11月後半から早めに製造に入る予定ですのでしばらくお待ちくださいね。

生ハムと同時に案内したのがスズキのアラ汁で、これが夏になるほど脂が乗ってくる。

スズキの旬は夏で、価格も高騰、なかなか大型のスズキは手が出ない。

刺身も美味しいのだが、頭骨や中骨で作るスープは絶品だ。

白身魚独特の臭みが無くて旨味のある脂が一面に浮いてくる。

頭と骨を圧力鍋に30分以上かけると骨はバラバラになり脂とコラーゲンを豊富に含む「白湯スープ」が完成する。

味付けは「む~じお」だけで、薬味はあまり使わない。

これを飲めば魚の旨味が盲腸にまで沁み渡る。

野人はこのスープの「ぶっかけご飯」が大好物なのだ。