農業は生態物理学の応用 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

農業とは人にとって最も大切な食べ物である野菜などを生産、それを生業とする仕事だ。

大地をベースとする食べ物も含めれば畜産も入る。

しかしいつの間にか人は効率を重視するようになり、早さ、大きさ、美味しさを求め、「工業製品」の道理が定着した。

そして自然食品には遠く及ばず、養殖、加工と言った方が妥当な食品が食卓を占めるようになってしまった。

肉や卵だけでなく動物に最も重要な植物である野菜までがすべてそうなった。

公の機関もJAも大学も農家も、「どうやって作るか」「どうやって売るか」に奔走した。

「生命」とは人が作るものなのだろうか。

遺伝子組み換えの賛否が論じられているが、もっと大切な本質に目が向かないようだ。

「安全安心」の基準が無農薬減農薬と言うのもおかしいし、作った人の顔が出るのも妙な話で、どのように育ったかのほうが重要ではないだろうか。

「生き物とは何か」はまったく表に出て来る気配もない。

比較すれば、農薬使用の野菜と無農薬野菜の健康に及ぼす実態は定かではなく、有機野菜と化学肥料野菜についても同じことだ。

それでもなお人は優劣を決めようとしている。

価格の差ほど安全効果の差があるとは思えないのだ。

安全を気にするなら今の加工食品のほうがはるかに心配のタネがあるように思う。

野菜は植物であり、安全よりも本来の本質を持っているかのほうが余程大切なことだ。