土を作らず野菜を作らず | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

「天は人の上にも下にも人を作らず」と言う言葉があるが、野菜の世界も同じだろう。

野菜も草と考え、「草を知り、草をもって草を制す」ことが大切でありそれが人の知恵であり、また兵法の極意とも言える。

目的を果たすのには何を見て何を為すべきか、孫子の兵法然り、基本になるものは人の教えや思いではなく森羅万象だ。

兵法書の通りに動いた武将は滅び、基本から自らの答えを出した武将が生き残った。

最小限の力で最大の力を生み出す、それは物理学の考え方と同じもので文明の基礎となる考え方だ。

孫子の兵法もまた地球物理学なのだ。

農業に孫子は場違いと思う人もいるだろうが、孫子の兵法同様、野人兵法もまた自然界の物理的な仕組みが基本だ。

諸葛孔明もまた孫子の兵法から独自の理論を確立して偉業を成した。

協生理論は戦いではなく農業をはじめとする平和利用を目的として生み出したもので、リンカーンも孔明も賛同してくれることだろう。

畑は計画的に一度作れば耕運機もクワも肥料も農薬も必要なく、草をただ見ておればよい。

そうすれば成すべきことが簡単に見つかる。

人間始めすべての動物は有機物と言う食べ物を通して地球のエネルギーを摂り入れている。

それは電気エネルギーであり、生命力と言う形で植物がもたらすものだ。

生命力は生き物が築いた完全な土壌から生まれる。

耕した土壌から完全な生命力が生まれることはなく、植物本来の味も生まれない。

土壌が出来上がるまで2年近いが人はそれまで待てないようだ。

土壌の仕組みを知り、草を知り、草を制し活用すれば維持管理は難しいことではないのだ。

そうなれば大地は周年豊かな実りをもたらしてくれるはず。

すべての生き物と協力し合って最大の効果を出すのが協生理論であり、糧を得るのが協生農法だ。

農業は悩むものでも苦しむものでもなく、一番楽しい職業ではなかろうか。