人に最も大切な「完全食品」 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

人類は「錬金術」がそうであるように純粋な「抽出」を好む。

ビタミン、ミネラルなどの成分を中心に栄養学、健康産業もその方向へ進んだ。

しかしそれらの成分は単体として自然界には存在せず、生き物もそのようなものを摂取した歴史はない。

有機物は全て完全なバランスを持った複合分子であり、その有機物がすべての生命を育んできた。

栄養や成分の効能を考えながら食すのは地球上で人間だけだろう。

野人の考え方はまったく異なる。

輸入冷凍品でもレトルト食品でも何でも食べるが、食の基本はその地でとれたものだ。

寒帯地域と熱帯では異なり、海と山でも違う。

地域天候により同じ日本でも異なり、一面雪に覆われればないものはない。

歩いて廻れる身の回りの乏しい食料だけで人は何百万年も生き続け、そのように体は進化している。

今の食糧事情を「異常」と思う方が普通ではないだろうか。

業とは生業のことで産業の基本、だからこれほどの食品が誕生した。

売れるから作り、売れないものは作れない。

売れる野菜や果物を作ることが現在の農業であり、植物も商品としての道を歩いてきた。

それが現代の環境問題と健康問題を招いた。

食べるものは何でも良い、必要なものさえ摂れば他に何を食べようが体はそれに順応する。

塩分摂りすぎなどという妙な話や、冷え症や便秘や糖尿病など体調不良は挙げればきりがないが、それは摂りすぎや養分不足ではなく、大事なものが欠けているからだ。

今の食生活に欠けているものは「完全な食品」であり、それは人にとって最も大切な「完全な植物」だ。