コバルトブルーな冬の海辺 | 野人エッセイす

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川のよどみ
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この浜は最も好きな浜だ。

夏の海も美しいが冬もまたコバルトブルーは健在だ。

コバルトブルーはエメラルドグリーンと並び海の色の表現によく使われる。

空の青さと海の青さは太陽光線の反射で生じる。

紫から赤までの光の束が太陽の白色光線で、一番波長の短い紫光線は成層圏で反射、次に青が大気中のチリに反射して空は青く見える。

地表まで通過した青光線は次に水中の細かいチリに反射、やや濁った水は青の次の黄緑色が反射する。だから内湾や川のよどみは黄緑や緑が多い。

紫より波長の短い光が紫外線で殺菌などに利用され、赤よりも波長の長い光が赤外線でレントゲンなどに使われている。

夕日が赤いのは、長い距離の大気圏をオレンジや赤色光線だけが通過して来るからだ。


コバルトブルーはこの青色光線と珊瑚などの白い砂の色と重なったもので、エメラルドグリーンは海藻や活きたサンゴ礁の緑と重なった色。

だから曇ると空は無彩色のグレーになり、水は透明色、コバルトブルーの海は白い砂の色に、エメラルドグリーンの海はモスグリーンが強くなる。


色気のない無彩色な話をしてしまったが、たまには冷たい風に吹かれて浜を歩こう。

海に生きて来た野人も、最近は畑ばかりやっているので「ロマン」が失せて「ドマン」が増えて来たようだ。

この浜は理論ではなく感性を豊かにする浜なのだ。