虫が野菜を食べる簡単な理由 2 | 野人エッセイす

野人エッセイす

森羅万象から見つめた食の本質とは

虫が野菜に群がり根こそぎ食べる理由ははっきりしている。植物が合図を送り、虫がそれに応じているからだ。それは彼らが生きて行く為の知恵であり、それが自然界の摂理だ。彼らは人間が考える以上に賢く、やることは完全だ。

生きて行く為に最も重要な土壌を浄化する為に植物は吸い上げて肥大、それを虫が地上に分散する。彼らにとっては土壌のバランスを壊す廃棄物なのだ。

化成肥料であろうが有機肥料であろうが堆肥であろうが水分であろうが、植物が「余計」と判断すればその仕組みが働くが四足動物はそれに参加せずに避ける。

そのサポートは短命の虫の仕事だからだ。

人間はいまだそこに気付いていない。植物からの「成分返品メッセージ」を、良く育って「喜んでいる」と都合よく捉えているからだが、肥大した葉の色艶を見ればそれがわかるはずだ。

自然界には大きく育って極端に柔らかい葉など存在しない。

植物は動物と違いエサを与えて喜ぶことなどないのだ。

さらに拍車をかける行為は、地上の生態系を壊し、同一植物を陳列している。それは自ら招いた虫害病害の「拍車」とも言えるだろう。虫達はこぞって「大掃除」に集まる。

つまり、どうやっても根こそぎ食われる最高の条件を作っていることになる。

食われないとすればそれは「たまたま」に過ぎない。

せめて生態系さえ壊さなければ少々の肥料であれば被害は激減するだろうが、そうなれば肥料も必要でなくなる。

人間の道理で一方的に生産法を決める前に、もっと彼らと対話して仕組みを学んだほうが良い。すべてに行き詰まった現状は強引な手法が招き入れた負の遺産だ。

植物が正常に育つ最大の要素が肥料ではないことは屋根の上の草やアスファルトの隙間の大根や野人農園がそれを証明している。

余計なことをしなければ虫は野菜に致命的な打撃を与えることなく共存出来るのだが、彼らにとっての余計なことは人間の常識では「必要なこと」になっているからうまく行かない。