緑の大地だったサハラ砂漠 砂は何処から来たのか | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

北アフリカの広大なサハラ砂漠はアメリカ合衆国の広さに匹敵する。この砂漠はわずか6千年前までは緑の大地だったようだ。砂漠化と共にそこで暮らす人々はナイル川流域に追われ、古代エジプト文明の発祥の地になった。ピラミッドはその象徴だ。

サハラ砂漠の膨大な砂は何処から来たのだろうか。別に空から降ってきたわけでもなく、元からそこにあったものだ。気候変動で乾燥が続けば植物は耐えられず枯れ果てる。土壌がむき出しになれば土はやがて蒸発して行く。土は岩盤が長い年月をかけて風化した小石や砂と、草などの植物が作った有機物の混じりあったものだ。有機物が元の水と空気になって蒸発すれば、あとには小石と砂だけが残る。岩だらけになった山もさらに風化が進み、砂となって風にさらわれやがては消滅してしまう。重い石は沈み、軽い砂が表面を覆い尽くす。砂は風によって広域に分散され今のような広大な砂漠になってさらに拡大を続ける。サバンナに暮らす人々は草と水の大切さがイヤと言うほど身に染みている。草と水は命を繋ぐもので大地に最も必要なもの。世界一緑と水に恵まれた日本人にはあまりピンとこないのかも知れない。雑草を目の敵にし、土壌は自ら豊かにするものと信じ、大量の水を大地に撒き散らしている。水を流さなくても雨さえ降れば植物は当たり前のように生きて行ける。植物は自ら水を大地に蓄え、自ら養分を確保して何億年も生き延びてきたのだ。地球の理に適わない土壌、産物が環境と健康に何をもたらすのか、考える時期に来ているように思う、何も問題がないのならその必要もないのだろうが。