歯を磨かない猿に虫歯はない | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

猿はよく歯を見せる。刺激すればすぐに歯を剥くからだ。キーキーとうるさい。餌付けした猿山の野生猿で実験するとよくわかるが、エサをやるフリをして、「こっち・・きしめん~」と手招きする。そしてサルが手を出した瞬間にエサを引っ込めるのだ。サルは「じ~!」とこちらを見つめ「ヴギ~!」と歯を剥いて怒る。その瞬間に口の中を覗き込めば良い。向かってくるようなら拳で思い切り頭を「ボカ!」と殴ればすぐに逃げ出す。サルは人間を見抜き、場合によっては見下す。最初が肝心なのだ。何匹やっても虫歯らしきものは見当たらない。また猿が頬を押さえて歯痛で悩んでいるのも見たことがない。サルに虫歯はないのだ。鼻を近づけて口臭を嗅いだ事はまだないが、歯は綺麗なものだ。動物の歯は生きて行く為の大切な必需品で死ぬまで使えるように出来ている。肉や骨を切り裂くサメの歯は抜けて折れることが前提、いくらでもスペアが生えてくるのだ。

哺乳類の歯は食べものの雑菌で内部から虫歯になるが、それを補修するのは唾液だ。元の透明感が戻り、外部に及ぶ事はない。ただし補修は食べ物などが口中にある時は出来ないようになっている。何故人間だけがこれだけ虫歯になるのか、それはこれだけ豊かになり、人類史の中では最も食べている時間が長いからだろう。規則正しく三食だけでなく間食が多すぎるのだ。それに歯磨き粉を始め色んな薬物を口中に入れる。その成分が残る数時間は唾液の補修は機能しない。結局、補修よりも破壊の時間が長くなり、歯に穴が開いてしまう。歯の外部は補修出来ないし、何万年もその必要もなかったからだ。虫歯が嫌なら、何も口に入れない時間を長くすれば良い。小さい頃からその習慣があれば虫歯で歯が駄目になることはない。水で磨くだけならともかく、歯磨き粉を使ってしばらくは虫歯の進行を助けている事になる。歯に溜まる食べものが気持ち悪いなら、たまにブラシだけで落とせば済む事で毎日でも構わない。人も動物も歯は磨く必要などまったくない。まして歯磨き粉などいらない。磨かなければならないと言う思い込みの習慣があるから「歯磨き粉」が必要になる。大事な歯を削ってどうするつもりなのか。ついでに白くなるとか、歯槽膿漏防止と言う販売文句につられてしまう。口内細菌の分解機能が麻痺しているから歯垢も溜まる。歯磨き粉は人体にも環境にもよくない「不要の長物」なのだ。地球上の全生命体の中で、何故現代人の口内だけが異常なのかじっくり考えてみると良い。歯医者がこれだけ多いのも異常だ。

古代人や江戸時代の武士が白い歯磨き粉で朝夕時間をかけてシャカシャカ磨いている格好を想像して見れば違和感があるはずだ。洗剤は物を洗うもので人体ではない。洗濯石鹸は必ず売れる、じゃあ体も洗える、髪も洗おう、ゴワゴワするからリンスも売れる、習慣にすれば歯磨き粉も売れる。普及の推移はこのようなものだ。体に必要だから進んだ文明ではない。効能や快適さは宣伝しても「健康に良い」とはメーカーも絶対に言えないはずだ。良いはずがないと確信を持つ医者や学者がいてもテレビで宣伝は出来ない。その必要もないし広告宣伝費もないからだ。営業妨害で販売者に石を投げられるのが関の山だ。

健康長寿と言うが、人間は120歳までは生きられる体をしている。生きられないのは自ら破壊することが原因。理に適った暮らしをしていれば問題はないはず。適ってないから早死にしてしまうのだ。人は健康の為には惜しみなくお金を使う。そのプラス思考は寿命を縮めるだけ。逆にお金を使わないことが寿命をまっとうする最良の方法と言うことに気づいてもらいたい。人は雑食性、何を食べても壊れるようなヤワな体ではないが、たまに自然の山菜や野菜、木の実を食べて大地の生命力を補給、皮膚や髪や口中に余計な事をしなければそれだけで何の問題もないはず。後は文化生活を楽しんでも構わないのだ。何も仙人みたいな暮らしをせよとは言っていない。人はどんなに努力しようが他の生き物と同じように寿命があり老いて行く。女性はパートナーを捕まえるまでは精一杯おめかしするのは仕方ない。しかし人生半ばを過ぎたら、人に見せる美しさよりも、本来の肌を磨き天命をまっとうすることを考えたほうが良いのではないだろうか。

男は・・ライオンもそうだが、やはりタマを磨くしかやることがないか、あはははは~