子供は無菌状態にしないほうが良い | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

皮膚の仕組みと役割については前にも述べたが、習慣になった親はともかく、子供は無菌状態で育てないほうが良い、親と同じ道を歩く事になる。

子供は生まれてから脳も体も学習しながら環境に順応して行く。

お腹にいる時は無菌状態だが、生まれるとすぐに皮膚は細菌の洗礼を受ける。

兆単位の多種の細菌だ。

体もそれに合わせて生きて行く為の免疫が出来あがり、免疫がなければひとたまりもない。


アマゾン奥地の住民が現代人と接触した時から病気が蔓延するのと同じ事。

あえて菌を注射する予防接種は皆経験しているはずだ。

人は何万年もかけて進化、病気に耐えられるような構造を持って誕生してくる。


子供を育てることは、世話をして食べさせて教えることだけでなく、本来持って生まれた体の能力を阻害しないことが大切、それが強く逞しく育てることだと思っている。

「親の感覚」で綺麗にしようとすることは体を弱くするのと何ら変わらない。

風邪をひきやすい体、アトピー、熱、花粉症など数十年前よりもはるかに病気に振り回されている。

今の親もそのようにして育てられて来たから同じ事をしているのだろうが、何故弱い体になってしまったのかじっくりと考えてみる事も必要だろう。

食生活も医療も数倍も進歩している。それなのに「何故?」と。

理由は「生活スタイルと食生活」しかないのだ。


食にあれだけ気を使い徹底しているのに、何故生活習慣に目が向かないのか。

皮膚はこれだけの薬品を必要とするものなのか。

皮膚はすべてを吸収する、石鹸も浴場剤も。

毎日必要な微生物を外皮と共に徹底して洗い落とし、化学物質を体内に入れているとは考えないのだろうか。


雑食性の人間は食べものに対しては順応性が高い。

異物を排出する機能も持っている。

少々バランスが悪かろうが、ビタミンが不足しようが時間があれば解決出来る。

毎日バランスの良い食事などは必要なく、サプリも本来は必要ないものだ。

しかし正常に戻ろうとする皮膚の邪魔を毎日やればどうしようもない。

医者も、症状を抑える薬は持っているが風邪やアトピーや花粉症にかからない薬は持ってはいない。

熱を冷ます事は出来ても熱が出ないようにすることは出来ないのだ。


これらは医学の範囲ではなく、個人の責任で、自らそのような体を作り上げている。

「こうするものだ」と言う何の根拠もない思い込みと習慣が現状を招いている。

これでは医療問題が深刻になるだけだ。


近代医学は、伝染病や事故や怪我などの「外的要因」に対して相当な威力を発揮するが病気にならないようにすることは出来ない。

自然界同様、元々自分が原因の病気などないのが標準なのだ。


野人は、本当に医者がいて良かったと思ったのは人生で一度しかない。

学生の夏休み、ヘルペスウィルスに体の3分の一近く皮膚をやられて、一人で高熱を耐え続けたがギブアップ、這って医者へ行った。その時くらいだ。

尿路結石の激痛で夜間に救急病棟へ自分で行ったこともあるが、その時は結局フットワークで自分で出した。


考えてみれば子供の頃のほうが医者の世話になったことがはるかに多く必需品みたいなものだった。

それは圧倒的に風邪や熱だろう。

それらは全て皮膚からの細菌が原因だ。

風呂での石鹸は当たり前だと思っていた。

だからいくら体を鍛えても風邪は毎年ひいていた。

石鹸をやめて水かお湯だけにすれば何の問題もなくなるはず。


習慣は何の根拠もないものが多い。

メーカーは体に良いからと親切心で宣伝しているのではない。使う快適さは述べても使わないメリットは言わない。