映画「パーフェクト ストーム」 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

今夜、ムービープラスで「パーフェクトストーム」がある。2000年のアメリカ映画で、カジキ延縄漁船が観測史上最大の大型ハリケーンと遭遇する映画で、実話をもとにした海洋スペクタクルだ。主演はジョージクルーニーで、監督は「Uボート」のウォルフガング・ペーターゼン。何度か見たのだが非常によく出来ている。長年船長をやっていたからわかるのだが、海洋映画は何処かしら「おかしい」ところが目に付いてしまうのだ。海の色や波の形、あり得ない事など。まあ映画だから仕方ないと言えばそれまでだが、このパーフェクトストームは背景や状況に非の打ち所がないのだ。それだけリアルで技術が進んだせいだろう。本当にパーフェクトムービーだ。ここまで大きな嵐ではないが、彼らと同じ思いはしてきた。波を上る恐怖と波の底に落ちる恐怖、交互に襲ってくるのだ。それが真夜中ならなおさらのこと。盛り上がり、砕けた波頭が月光に照らされ襲い掛かってくる様は、白い悪魔に見えたものだ。船は潜水艦のように翻弄され、ブリッジも機関室も浸水、そうなったら腹をくくるしかない。切り抜けるか沈没かは自分の技術次第、技術も及ばない嵐次第なのだ。この映画は、見るのが辛いと思いながら見てしまう。印象に残っている言葉は、一か八かに賭けた船長ジョージクルーニーが転覆して逆さまになったブリッジの中で、クルーに語りかけた「惜しかったな・・」と言う言葉だ。そして船と共に海底へ沈んでいった。敗れても悔いを残さない潔さがあるのだが、真似は出来ない、船長の使命は乗組員を安全に連れ帰ることだと思っている。