気の科学 2、物質と肉体と心の構造 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

人の心も同じものから生まれた。心とは元素を持たない電子の集合体であり、それがやがて「意識」と言う形の生命を生み出した。目には見えないが物質や有機物と同じものから作られた立派な生命だ。宇宙は長い年月をかけて膨張し、誕生と分解を繰り返し、核を持つ物質も、持たない電子の集合体である意識も同じように進化を続けた。その中で、限られた条件の中、著しく進化したのが意識と有機物が一体となった「生命体」だった。その肉体は物質としての構造も単純ではなく、高分子化合物と呼ばれるほど複雑だ。同じように意識もその構造に合わせて高度になっていった。同じものから生まれ、同じ進化をたどったもの同志が「融合」することは不思議でも何でもない。だから植物には植物の意識、虫には虫の、動物には動物の、人間には人間の体の構造に合った意識がある。物質や有機物細胞に「判断」は出来ない。仕組みに必要だから生まれ、肉体と共に意識も成長していく。何故「有機生命体」と「意識」が融合したのか、オーケストラで考えると理解しやすい。細菌などの単細胞以外の生物はそれぞれの奏者を率いる「指揮者」がいなければ機能しないからだ。生命体にも独立した細胞を同時に指揮する「指揮官」が必要だった。指揮の伝達経路が「電子信号の道」脳から全身に巡らされた「神経」だ。脳はソフトである意識がそこで肉体を指揮するハードだと考えれば良い。脳そのものは脂肪とタンパク質の有機細胞に過ぎない。

人は電子の存在を認識し、文明の要にしてはいるが、いまだ電子を見ることが出来ない。だから意識は原子を持たない電子だけで構成されたものということが証明出来ない。心も体も元は同じもので肉体は原子で構成されたものだ。原子を見ることは出来ないが 水のように水素原子と酸素原子が結びつき、分子の集合体が出来れば水として見ることが出来る。肉体は分解されても意識は存在する。原子を持つ物質ではないからだ。植物や動物など全ての生きものを、人が生命反応を感知出来ない無機物に対して有機物と言う。また、人がいまだに合成出来ないような複雑な分子構造から高分子化合物とも言う。皮膚や内蔵を含むそれぞれの細胞が生命を持ち、意識とは関係なく生命活動をしている。生き物は細胞から心に至るまで生命の塊なのだ。その、高分子化合物の結びつきの中心にあるものは無機物質の炭素だ。有機物とは空気中の炭素を中心に水素や酸素などの原子が複雑に結びついたものだ。だから燃えると例外なく灰になる。炭素もまた、炭が灰になるように空気中に戻って行く。肉体とは、「世界中が迷惑している炭酸ガス」とから生まれたものなのだ。生命反応のない初期の地球は原子の海に覆われ炭酸ガスが充満、やがて原始の海から誕生した単純な藻類が炭酸ガスを分解し酸素を取り出した。海水中に酸素が一定の量になると、炭酸ガスと海水の水素から多様な有機物が誕生した。元素記号で言うなら、CとOとHだ。つまりローマ字では「こ・・」と言うことになる。「こ・・りゃ何だ?」と生まれたのだ。その生命体もまた酸素で命を繋ぎ、再び炭酸ガスにして水中に戻している。海で飽和状態になった酸素が空気中に充満、生命は陸へ進出、そこでも同じような循環が成された。相変わらず藻類と藻類が進化した植物だけが、せっせとその炭酸ガスを酸素に換えて地球上の生命のバランスを保ち続けている。「空即是色 色即是空」・・無から有が生まれ、形あるものは無に戻る、「万物は一体」とはそういうことなのだ。酸化や細胞寿命は原子を回る電子の数が減って形を成さないことだ。宇宙から生まれたものは永遠ではない。物質、生命細胞、心は、人の解釈では別のものであるが元は同じものだ。生まれては分解し形を変え続けている。まとめとして、それぞれを一言で言い表すなら

物質とは、重力によって作られた元素が結びついた分子の集合体。

生物とは、複雑な分子構造を持つ集合体で、それぞれの細胞が単独の働きをするもの。

意識体とは、意志を持つ電子だけの集合体であり、肉体が酸化しても残る。