棘毒イラクサはジンマシンの語源で特効薬 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

日本全土の産地に自生する「イラクサ」は茎に細かい棘があり、触れると非常に痛い。棘のある植物の中ではこれが一番やっかいだ。イラクサの棘は小さくて見えにくいが毒があるから始末が悪い。子供の頃は知らずに掴み痛い思いをした。絹に似た光沢の繊維が取れ、第一次大戦下のドイツで大規模なイラクサの加工産業が発達した。また東北地方に多い大型の「ミヤマイラクサ」はアイコと呼ばれ山菜として重宝されている。刺されないように軍手で採取、棘をしごいて取り茎を食用にしている。痛みの毒成分は煮ることで水に溶け無毒になる。東北では「タラノメ」より上に位置付けられている。
薬草としても利用価値が高く、ヨーロッパでは血糖値降下や糖尿病の健康茶として親しまれている。生薬名「ジンマ」と呼び、ジンマシンとはイラクサの棘にヒスタミンを含む為、触るといつまでも痛くて痒くて、これによって起こる炎症を蕁麻疹(ジンマシン)といったのが始まりと言われている。