最近、とんかつ愛好家で大評判の店がある。
遠征したのは中央線の西荻窪駅。
改札を出て目の前にある雑居ビルの地下1階。
「とんかつ けい太」さん。
完全予約制なので寒空の行列に並ぶことはない。
2週間前に予約を入れていたのだが気が急いて開店15分前に到着したところ、開店を早めてくれて案内してくれた。
カウンター席に陣地構築。
とんかつはロース派なんだけど、この店のフィレカツは日本一との評判も聞こえてくるので上フィレ膳に単品のメンチカツを追加して注文。
120℃の低温の鍋に入れられたお肉は音もなく静かに沈んでいく。
頃合いを見て160℃の油に移しカリッと仕上げる。
5分ほど置いて余熱で火を通す。
この余熱で完全に仕上げるのが一流の料理人の勘所。
という、職人技を眺めながら飲むビールの旨いこと。
20分ほどかけて出来上がり。
●上フィレ膳+一口メンチカツ(2,750円+440円)
一目見て今日の勝利を確信。
見た目は悪いけど料理は美味いってありそうでない。
いい女と旨い料理は見た瞬間グッと感じるものだ。
それではいただきます
お椀は豚汁かしじみ汁が選択できる。
豚汁を選択したのだがこれがめっぽう旨い。
お肉は切れ端なんかじゃなく、そのままとんかつにしてもいいような厚切りロース肉。
野菜も具沢山。
くどいほど書いているが、とんかつの漬物は浅漬けか糠漬け以外は合いません。
千切りキャベツはトリュフか青じそのドレッシングで楽しむ。
最初は何も浸けずにガブリ!
ウ―・マイ・ガーーっ!
なんじゃこりゃ!
柔らかくてしっとりしたフィレカツは他にもあるがそれに加えてふっくら感がある。
油はラードで軽い後味。しつこさは全くない。
若き店主けい太さんの実家は鹿児島の養豚場。
実家と美味いとんかつを作るために協力しあって開発した「南州自然豚」のジューシーな甘さが口いっぱいに広がる。
岩塩で食べてもまた旨し。
フィレカツはわさび醤油で食べるのが最も美味いのだが、ごはんもパクパクすすむクン。
お米は山形のつや姫の新米。
からしとソースも相性バッチリよしこサン。
和牛と銘柄豚の一口メンチカツ。
お待たせしました。お箸入刀!
お箸を入れた瞬間にあふれる肉汁。
おほほ・・・
あまりの旨さにわらいが止まりません。
和牛の力強い旨味と上質な豚肉のベストカップルに加えソテーした玉ねぎの甘味が広がる。
笑いは止まらないが胃袋には余裕がない。
フィレ肉が200g、メンチカツが40g、衣やごはん、キャベツに味噌汁を加えると500gは軽く超えているだろう。
それにビールが500ml。
お腹はパンパンつばくろう。
無念の涙をのみ豚汁のお代わりは断念。
これまで夢シュラン評価では東京のとんかつの横綱は東の「浅草ゆたか」、西の「高田馬場とん太」で決まりと書いてきたが、才能ある新興勢力の台頭により大きく変わりそうだ。
美味しい料理に感謝を込めて
「ごちそうさま!」
【お店】 ★★
・とんかつ けい太
・東京都杉並区西荻南3-10-6 B1F
・https://tonkatsukeita.owst.jp/