Invisible Limiter G2

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今でも最も使用頻度が高いLimiterであるA.O.M.のInvisible Limiterの第二世代「Invisible Limiter G2」がリリースされました。



このInvisible Limiter G2に関してはbeta版からテストプレイに参加させていただいたので、技術的な事をあらかじめ知らされており、従って動作などについて細かく書く事は控えたいと思います。
しかしわざわざブログを読んで下さる方の為に、出来るだけ正直に使用感を書きます。

最初のbeta1が届いて使用した時のファーストインプレッションは「第一世代とは全く別のリミッターだな」でした。

G2は天井がとても高い印象で、リミッターで叩かれた印象が極めて少ないのです。
柔らかいといえばそうかもしれませんが、とにかく天井が高く、透明な色付けを感じます。

初代の方はカチッとしてアタック感を非常に感じられる硬派(生硬とは異なる)なサウンドが非常に気に入っているのですが、G2を使って比較してみると初代の方がやや濁って感じます。
ただこれはこれで密度感が高く気持ち良いので自分は使い分けていますね。
オーバーサンプリング時のローパスフィルターの性能が上がったからなのでしょうか。

自分は日頃から「リミッターはうまく色をつけてナンボ」と思っています。
リミッターをかけて音圧を上げる行為は鮮度の観点からみると妥協以外の何者でもありません。
であれば、うまく色付けして音楽に活かすのが粋と言うものでしょう。

今回のG2の売りは基本的な能力が高いだけではなく、多彩な色付けが可能である事だと感じています。
BIASを押した時のアナログ感は個人的にお勧め出来ます。
ソフトニーの数値を高めるとコンプのような挙動になりさらにアナログっぽくなります。
100%にすると常時リダクションがかかります。アタックが叩かれるというより「徐々にブレーキをかけた感じ」がします。
ピアノをメインで使う方には非常に強い見方になるはずです。

またチャンネルリンクの効果も面白いです。100%で完全にリンクし0%で独立するわけですが、
0%にすると左右に狭い音源は広く、広いものは狭くなる傾向が強いです。
音場の広さをキープしたい時は100%です。

オススメの使い方はいくつもあるのですが、代表的なものを書いておきます。

1:ThroughモードでCeilingを-2dBあたりに設定
マニュアルのアタックタイムを少し遅めにして、強いピークを適宜に止めつつ少し逃がす
こうすることによってアタックの潰れ感を薄めます。

2:後段にマスタリングクラスのEQで色付け。私の場合はここでAD2077を挟みますが、お気に入りのEQで大丈夫です。

3:最後にブリックウォールリミッターでしっかり止める。

コツは最終段で音圧を稼ぐのでは無く1のプロセスで済ませておく事。最終段のブリックウォールはあくまでもピークを止める為の保険にしておく事。
そうすると出来るだけ音圧を稼ぎながらもリミッターで潰れた感じが殆どしないのです。
要は2段目EQのアナログサウンドを最大限活かしながらも今の高音圧に耐えうる音源を作る設定です。
故に高品位のEQが欲しいところでもありますが、リミッターを選ぶ事も勿論大変重要です。
現時点では1段目をInvisible G2、2段目を初代というルーティングが一番のオススメです。

ついでに1段目の前にDMG AudioのLimitlessで調整しておく事も推奨しておきたいと思いますwww

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サチュレーター

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最近Skypeを通しての生徒さんが思いのほか多くなってきました。
地方だと教わりたくてもなかなかその機会に恵まれないようなのですが、Skypeですと関係ないですからね。

こちらにもメリットがあって、私は移動が極めて多いのですが、Skypeによるレッスンだとかなりフレキシブルに予定を組めるんです。有り難い世の中です。

ところで、生徒さんやアマチュアの方のサウンドを聴くと色々感じる事があるのですが、その一つ、(広義に解釈するところの)サチュレーターをうまく使ったらもっとうまく馴染んで垢抜けたサウンドになるのになぁと思う事がしばしばです。


さて、そのサチュレーター、最近の流行のサウンドに必要不可欠なツールとして広く認識されつつあると思います。
人間は線形的なサウンドを不自然・不快に感じる事が多いので、どのようにして非線形的要素を加味させていくのかというのは重要な課題の一つです。
かつては録音の段階でアンプやトランスを通ったり、テープに録ったりしていたので意図せずとも非線形的要素が加わっていてそれがぬくもりや暖かさ、ナチュラルな音像に繋がっていました。(その分ノイズの問題がありましたが。)
いまは手っ取り早い非線形的アプローチを取り入れる手段として、プラグインサチュレーターの導入がその解決の一つになっているのは間違いありません。

プラグインはこの非線形的な振る舞いが大の苦手です。プログラムも大変でしょうし、質を求めると負荷も劇的に高くなってしまいます。
私個人の見解としては「実機EQはトーンコントロールが出来るサチュレーター」と言う認識を持っているぐらい(質の良い)サチュレーションと言うのは重要、そしてプラグインでは難しいものです。
そうサチュレーションこそが実機最後の砦といって良いぐらいです。

それでも最近はプラグインにも優れたサチュレーターが幾つかリリースされていて私も色々使い分けています。
クラシックのようにまさしく「生」と言う印象が重要な音楽だとやはりプラグインは不自然になるので僕はAD2077を使って仕上げますが、そのような音楽でなければ十分耐えうるプラグインサチュレーターは結構リリースされています。
オススメと言うかわたしが良く使っているのは以下のようなものです。

LVC-Audio 「HotPhuzz」
Slate Digital 「 VTM」
u-he 「Satin」
Vertigo Sound 「VSM-3」


HotPhuzzはとにかく安い($29.95)のとプリセットを適当に選んで行くだけでかなり傾向の違うサチュレーションを得られるので、音作りに便利。そう、万能コンプ「Presswerk」的な感じかな。

VTMは独特のパンチーさが個性的で嵌る人は嵌ると思います。実機に似てるというより、アナログの新解釈という趣で、実機を良く使う自分的には非常に親和性が高い印象があります。

Satinは個人的には最右翼のサチューレーターかもしれません。ただし細かく弄ると深みにはまります。特に欠点は見当たりません。

VSM-3は抜け感を演出したい時に特に役立ちます。これは他のサチュレーターには難しいです。ただ使う頻度は上記3つよりは少なめです。


一度デモられては如何でしょうか?一つも持っていない方ならとりあえずHotPhuzzが個人的にはオススメしたいです。(安いし)



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EQブラインドテスト第二弾 答え

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EQブラインドテスト第二弾にご協力ありがとうございました。
どういう音に人気が集まるのかと言うのかかなり興味がありまして、音作りをする際迷いが生じた時、
または選択肢がある時などは今回のテストは非常に参考になります。

今回は実際に映画音楽のエンディングに用いたのはどのEQのバージョンでしょうか?と言う4択で、正解以外の3つは
異なるEQを用い正解と(ほぼ)同じ設定で処理したものでした。

さて、前置きはこれぐらいにして、早速答えと結果発表を行いたいと思います。

正解:映画音楽エンディング:3

でした。BGMですので、フルートの生々しいノイズ(ブレスノイズ等)はなるべく目立たないようにしつつ(これが聴こえすぎると映像に気が回らない)、生っぽい響き、幻想的な雰囲気を出来るだけ活かすと言う方向性です。

それぞれ用いたEQと得票数(soundcloud+Twitter)は

1:bx_digital v3
得票数=6

2:EQuilibrium
得票数=0

3:AD2077
得票数=15

4:Pro Q2
得票数=6


となりました。正解率は55.6%なのでお互い良かったですね、と言う感じです。
これがもし正解が2だったら僕が袋だたきにあうところでしたwww

にしても今回はEQuilibriumの得票数がなんとゼロ!
前回のドラムステムでは支持率50%に及んだと言うのに。
大変面白い結果になりました。
因みにEQuilibriumの設定は第一弾のドラムステムの時と全く同じにしています。
本来は処理するトラックにより設定を変えるので、音源にあう設定にしていればまた結果は違うものになったはずです。

この手の生々しい音源にはAD2077のようなアナログのマスタリングEQの代わりになるプラグインは皆無で、好みはさておきsoundcloudのエンコードによる激しい音質劣化があってもその違いは分かりやすかったようです。

個人的にはもしAD2077を持っていなければbx_digital v3は合格点を出せました。
やや響きがドライになってしまいますが、非常に滑らかで生のフルートの良さを引き出せていたと思います。

v3はv2と比べるとゆったりとした出音で、こういう音源の時にはかなり有力なマスタリングプラグインEQだと感じました。




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EQブラインドテスト第二弾

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EQブラインドテスト第一弾にご協力いただきありがとうございました。
前回はEQuilibriumがとにかく人気でした。次がAD2055でした。
またTrack2(AD2055)は実機だろうと予測された方も多く、なんだかんだ言ってプラグインとの差がわかると言う事は多くの方に分かって頂いたと思います。

さて、今回はsoundcoludに4つの音源をあげました。
前回は過渡特性に焦点をあてたドラムステムでした。
今回は対照的にドローン(持続音)系の生フルートの音源を(ほぼ)同じ設定で弄った異なるEQによる
音源をあげました。

今回の音源は実際に映画音楽のエンディングに使ったトラックの一部です。
4つのうち一つが実際映画で用いられたもので、残り3つは同じ設定による異なるEQによるものです。

今回は実際使われたのは何番目のトラックかを想像していただく形にしたいと思います。
と同時に前回と同じく、答え合わせまではトラックに用いたEQは伏せておきます。

選択肢が4つなので、前回と同じくsoundcloudによるlikeボタンによる投票と同時に
Twitterによる投票も行います。何の見返りもなくてアレですが、投票にご協力いただければ幸いです。

映画音楽EQテスト
今回のテスト音源は「映画音楽エンディング」とある音源1~4です。

では宜しくお願い致します。


EQブラインドテスト 答え

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先日soundcloudに上げたドラムステムのEQテスト、ご協力ありがとうございました。

現在の結果は以上のとおりです。
EQ1=bx_digital v3
票数1 再生回数151

EQ2=AD2055
票数6 再生回数237

EQ3=Q10
票数1 再生回数146

EQ4=EQuilibrium
票数11 再生回数160

EQ5=Amber2
票数3 再生回数228


以上のようになりました。

票数で言うとEQuilibriumが抜けていて、次がAD2055。
一方、bx_digital v3とQ10があまり支持を得られませんでしたね。


再生回数を載せたのはsoundcloudのアカウントを持っていないとlikeボタンを押せないからで、
何度も再生されているものは何らかの意味があっての事だと思われるからです。

そう言う訳で次回アンケートをやるときは4択にしてTwitterでも投票出来る様にしたいと思います。

今回の実機はAD2055、他はプラグインEQです。
AD2055にした理由は単純に使わせていただける機会に恵まれたからですが、
AD2055のシミュレートものであるAmber2と同じ設定でテスト出来るからでもあります。
AD2077とAD2055では出音が結構違うと言う事もありますが、そもそも周波数ポイントがかなり異なるのです。

ところで、soundcloudに載せると結構音質が変わってしまうのですが、個人的にはbx_digital v3、AD2055 、Amber2がかなり割をくった印象です。
これらのEQは傾向的には余裕のある音、厚みのある音なのですが、そのようなメリットがsoundcloudでは結構スポイルされている印象で、
逆にEQuilibriumのようにトランジェント保持能力に優れていて、かつ色付けが少ないものはさほど影響を受けなかった印象です。

今回一番支持を受けたEQuilibriumは私が現時点でマスタリングで最も使うセッティングにしました。

今回はトランジェントがわかりやすいドラムステムで試してみましたが、次回はドローン系でやってみようと思っています。

具体的には、実際映画音楽で使ったのはどのトラックでしょう?と言うやつでいこうかと。
勿論今回と同じく出来るだけ設定を近くしたもの。
それを4択にしてsoundcloudに載せようと思います。
一両日中にはあげたいと思いますので、ご協力お願い致します。