そろそろ地球工学を考えるべきときなのだろうか | さまようブログ

そろそろ地球工学を考えるべきときなのだろうか

 地球温暖化問題を解決する最良の策は、温室効果ガス排出削減にあるのは疑いありません。
 これとは別に、いわゆる地球工学的な解決策もありえます。一番手っ取り早いのは、何らかの方法で太陽光が地球に入射する量を減らすことですね。
 ただし、この解決策はいろいろな意味でハイリスクです。思いもしなかった悪影響をもたらさないのか?「地球の改変」を行う組織が強すぎる権限を持ちうるのではないか?誰が責任を負うというのか?これらは簡単に解決できるものではなく、現時点では地球工学的手法はとても推奨できないと私は思っています。
何よりも、地球工学が最も本質的な解決策である温室効果ガス削減に対する逃げ道になる可能性が高く、これが最大の問題だと思っています。
 このあたり、masudakoさんも頻繁に言及されています(例えばこれ)。
 しかし、温室効果ガス排出の抑制はなかなか進まない現状(全く進んでいないわけではありませんが・・・)、地球工学的手法も考えておくべき時期に来てしまったのかもしれない、と思ったりもします。

 なんでこんなことを突然言い出したかというと、
 
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120530-00000001-natiogeo-int
 を見たからです。なるほど、二酸化チタンなら硫酸エアロゾルを散布するよりははるかにマシに感じます。
 ただ、ちょっと気になったのが二酸化チタンの光触媒活性。いくら触媒活性が低いルチル型でも、成層圏の強い紫外線を受けると活性を示し、フロン類などの分解を促進してオゾン層破壊につながるんじゃない?などと思ったりも。
 普通に炭酸カルシウムでいいんじゃない?確かに白色度は二酸化チタンのほうが上だけど、まあこのレベルなら誤算のうちなんじゃなかろうか?二酸化チタンよりだいぶ安いし。・・・とか思ったのでした。
まあその辺は検討していないはずもないとは思いますが。 

 まあ何にしても、研究者自身もコメントしている通り、「保険」として考えるべきもので、できるだけこういう手法に頼らずにすむようにしたいものです。